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8月22日 ピンポーン 梓「はい……」 配達員「こんにちはー」 梓「どうも」 配達員「……? どうかしたんですか?」 梓「あの……配達してもらうのは今日で最後になると思います」 配達員「あらら」 梓「今までありがとうございました。また何かあった時はお願いしますね」 配達員「そう……残念。かわいいお客さんだったのにな」 梓「ふえっ!?」 配達員「ふふ、元気出してね! もしかしたら会えるかもだよっ」 梓(私が注文しなきゃ会えないと思う) 配達員「それじゃあまたー」 梓「……そうだ、へこんでる場合じゃない」 梓「お父さんが帰ってくる前に戦利品を飾って出かけなきゃ!」 梓「行く当てはないけれど……」 梓「とにかくマッハで開封しなくちゃ!」 梓「まずはキングゴジュラスとデンドロ」 梓「……ぐああああこの急いでる時にどうしてガンプラ買ってるの私は!」 梓「くそおおおお」カチャカチャ 梓「そだ! もっと時間を有効活用しよう!」 梓「ガンプラを作りながら……ロデオボーイに乗る!」 梓「……」カチャカチャ ウィンウィン 梓「……」カチャカチャ ウィンウィン 梓「結構揺れが激しい……あっパーツ落とした! もー!」 ウィンウィン 梓「んっ……全然集中できな、い」 ウィンウィン 梓「それにあんまり人に見られたくない感じ」 梓「……読書くらいならできるかも」 梓「ええと、蒼天航路と聖書と軽音部の百合事情……」 梓「蒼天航路で」 梓「……」 梓「三国志の呂布ってけいおんでいうところの憂だよね」 ウィンウィン 梓「聖書か……」 梓「……」 梓「私はどこへ向かっているのだろう」 梓「次はゲーテ全集でも読破しようかな。ハハッ」 ウィンウィン 梓「……あ、結構腰にくるなあ」 梓「まだあと一冊残ってるのに」 梓「最後は……表紙でいきなり澪先輩と律先輩が絡んでいる……」 梓「澪先輩はわかるけど律先輩のおっPとか誰が得するんだろ」 梓「おっPちいさいし。いっつもからかってくるし……はぁ」 梓「表紙が律先輩とか買う気が失せるって……はぁはぁ」 梓「律先輩なんか……律なんか……はぁ……はぁ……あっ澪先輩とそんな」 梓「あっ、ああ……律先輩……律センパイィ……!」 梓「やっぱり唯先輩かな」 梓「バーチャルボーイ」 梓「……結構面白い」 梓「しかし……赤いな」 梓「左右対称のコントローラーがまた何とも」 梓「続いてビーダマン」 梓「友達と遊ぶ時と言ったらボンバーマンだったなあ」 梓「そんなさなかに発売したビーダマンに私の心はときめいた」 梓「現在でもビーダマンは受け継がれている。すごいなぁ」 梓「さてと、のれんはどこに飾ろうか」 梓「のれん……買ったはいいけどどうすれば……」 梓「あ、ゆいあずの衣装懐かしい」 梓「あの時の唯先輩頑張ってたなぁ……ふふ」 梓「おっといけない」 梓「とりあえず……ああ……物があふれて邪魔くさい」 梓「トンちゃんの周りにも……ゴメンネ」 梓「のれん悩むなぁ。……あれ、のれんの他にもj何かたのんでいたような?」 ピンポーン 梓「来た来た」 梓「……待てよ」 梓「……」 梓「ん、んっ」 梓「あ、あ~~~~」 梓「Godan daginn」 梓「よし」 梓「Godan daginn」 配達員「……」 梓「あ、すいません今のなしで」 梓「あの、私の荷物他にもありましたか?」 配達員「あったわ」 配達員「それと、さっきのあいさつは肯定と受け取ってもいいのよね」 梓「へ?」 「Godan daginn」 梓「あ! いつものアイスランド人!」 梓「え……配達のお姉さんとアイスランドの方って知り合いなんですか?」 配達員「ええ、そうよー」 配達員「梓ちゃん。まだあなたが注文したものでここにないものがあるわ」 梓「そうみたいですけど……どこにあるんですか?」 「Islandi!」 配達員「梓ちゃん、行く当てないんでしょ?」 梓「ど、どうしてそれを!? ていうか私の名前まで!」 配達員「一緒にアイスランドにいこっ? そしたら注文した品が手に入るから!」 梓「……だめです」 梓「だってアイスランドにAzunyan.co.jpはないでしょう?」 配達員「確かにAzunyan.co.jpはないわね」 配達員「でもAzunyan.co.isならあるわ」 梓「え……」 梓「じゃ、じゃあ行こうかな……」 梓「……」 梓「いってきます」 梓「いやあ、アイスランドかぁ」 梓「普段注文できなさそうなものも注文できるかも!」 梓「早速明日の分を注文しておこう!」ポチポチポチポチ 梓「ん? .co.is?」 梓「なんだろう……何か違和感が……まあいいか」 配達員「つきましたーアイスランドでーす」 梓「ここがアイスランド……」 梓「あっ馬! 馬がいる!」 梓「そういえば馬をたのんだんだっけ」 梓「乗ってもいいですか?」 配達員「どうぞー」 梓「よっこいしょ」 梓「よっこいしょ……乗れない」 梓「乗るのは今度でいいや」 「Godan daginn」 梓「Godan daginn」 梓「何ですかこの四角い機械?」 「Supercomputer」 梓「え、ああ、そういえば勢いで注文しちゃったような……」 梓「……」 ギュオオオオオオ 梓「あ、あれは?」 梓「え、あれがアーウィンですか」 梓(この国は何をしようとしているんだろう) 梓(怖い) 梓(そもそもここって本当にアイスランドなんだろうか) 配達員「おーい梓ちゃーん」 梓「あの、少し一人にしてくれませんか?」 配達員「そっかー、じゃホテル手配してあるからそこで休んでね」 梓「はい」 梓「……」 梓ここかあ。高級そうなホテルだなぁ」 梓「……え、こんなに大きい部屋を一人で使っていいの?」 梓「落ち着かない」 梓「あ」 梓「テレキャスが置いてある」 梓「そういえば注文したんだっけ。ちょっと轢こうかな」 チャリラ~ン 梓「……あれ、へたくそになってる。練習してなかったからかな」 梓「そういえば最近唯先輩達に会ってないなあ……」 梓「アイスランドに来る前に挨拶しておけばよかった」 梓「そもそも私はいつまでここにいるんだろう」 梓「うう……わかんない……怖いよう……」 梓「……」 梓「……」ポチポチポチポチ 梓「……あれ」 梓「注文できない」 梓「……そ、そんな」 梓「う……けほっ……けほっ」 梓「く、くるじぃ……」 梓「ちゅ、注文を……はぁはぁ」 ぷるるるる 梓「はぁはぁ……で、電話?」 梓「も、もしもし……」 『あずにゃん!! 今どこ!?』 梓「あ、ゆ、ゆいせんぱい……けほけほ」 『どしたのっ? 具合悪そうだよ?』 梓「いえ、ちょっと……ふぅ」 『大丈夫?』 梓「ええ、唯先輩と話していたら楽になってきました」 『そっか、よかったぁ。ところであずにゃんは今どこにいるの?』 梓「ええと、訳あってアイスランドに」 唯「アイスランド!?」 梓「アイスの国じゃありませんよ?」 『わかってますう! ……それでアイスランドってどの辺り?』 梓「……ええと、ヨーロッパより北西あたりだったかな」 『そんなところまで……あずにゃんのお母さんとお父さんが心配してたよ?』 梓「う……」 『いつまでそっちいるの?』 梓「……始業式までには戻ると思います」 『どうしてアイスランドに行ったの?』 梓「それは……」 梓「通販がしたいからです」 梓「それに私の家にはもう物を置く場所がありませんからねっ♪」 『……』 梓「それでは。唯先輩の声が聞けて良かったです」 『えっ!? あずにゃんちょっとま――』プツ 梓「……ふぅ」 梓「唯先輩と話したら不思議と楽になった」 梓「それに頭も冴えてきた」 梓「……携帯が使えないのなら」 梓「パソコンを使えばいいんだ!」 梓「よーし、アイスランドにいる間に出来るだけ注文するぞー!」 第一部 END 8
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78. 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします 2010/11/20(土) 12 36 39.39 ID ZHXXT3.0 ①わかりました 梓「どこですか?」 律「住所は・・・ 梓「・・・ですね、わかりました」 梓(何か覚えのある住所だな……) ・・・・・・・・・・ ガチャ 一文字「あれ?でかけるのかい?」 梓「はい」 一文字「大丈夫かい?こんな時間から出歩いて?」 梓「はい、もしかしたら事件が解決して疑いが晴れるかもしれません」 一文字「信用できるのかい?」 梓「多分、大丈夫だと思います」 一文字「なら、頑張りなよ」 梓「ありがとうございます」 ・・・・・・・・・・ ・・・・・・・ 梓(ここか……) ピンポーン 律「おっ、来たか」 梓「元気そうですね、律先輩」 律「まあね」 梓「それより・・・ 律「?」 ①記憶喪失は? ②他に誰がいるんです? 79. 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします 2010/11/20(土) 12 52 58.61 ID 827TU5Yo ② 81. 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします 2010/11/20(土) 13 39 27.21 ID ZHXXT3.0 ②他に誰がいるんです? 梓「他に誰がこの家にいるんですか?」 律「どういう意味だよ?」 梓「律先輩は記憶喪失だったはずでしょう?」 梓「でも私が誰かわかってるってことはある程度は思い出したんですよね」 律「あぁ」 梓「誰が…?」 律「……わからない」 梓「は?」 律「私の記憶は完全に戻ったわけじゃないからさ」 梓「そうですか……まぁ実際に会ったほうが早いですよね」 律「そうだな」 ・・・・ 女「中野さんですか?」 梓「……』イラッ 律「あずさ…?」 梓『何かムカつきます』 律「は?」 梓『この女はだれですか?』 男「おい!あんた… 女「あんたは黙ってな」 梓『うぅ……!』 律「梓!落ち着け!」 梓『ハァ、ハァ・・・・ ①この女が全ての原因だ! ②落ち着け、私。 82. 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします 2010/11/20(土) 13 59 57.99 ID 4SITcUgo 2 83. 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします 2010/11/20(土) 14 56 14.67 ID ZHXXT3.0 ②落ち着け、私 梓(冷静になれ、あずさ。) 梓(ただ【あいつ】と似てるってだけだ) 梓「すいません、ちょっと疲れていて…… 女「気にしないでください」 律(……梓は記憶喪失ではないけど、少し精神を病んでるな…慎重にいかないと) 男(……くそっ、俺だけじゃないのか?お嬢さんは何を企んでる?) 女「では早速…… 律「あぁ」 律「梓、あの日のことを話してくれ」 梓「・・・・ ①いいですよ、『私に話せる』ことなら ②嫌です。 84. 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします 2010/11/20(土) 14 57 55.92 ID ZHXXT3.0 補足 ・男は女を「お嬢さん」と呼びます。 85. 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします 2010/11/20(土) 15 01 50.59 ID Wuvt1/w0 ②でどうぞ 86. 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします 2010/11/20(土) 17 25 19.03 ID ZHXXT3.0 ② 嫌です。 梓『嫌です』 律「あずさ…?」 梓『いやだ いやだ いやだ いやだ いやだ いやだ いやだ いやだ いやだ いやだ いやだ いやだ』 女「ちょ…… 梓『やっぱりあんただ、あんたが私を・・・!! 男「お嬢さん、ここは逃げたほうが…… 梓「逃がすわけないじゃん!! ドスッ 男「痛ッ・・・ 女「ナイフ……! 律「梓! 梓「憂?許さないからね」 ザクッ ザクッ 気がつくと周りは血の海だった。 だが梓の心を満たす感情は1つだけだった。 『満足感』 ……この行為が大切な人との約束を破っていることに梓が気づくのはもう少し時が過ぎてからだ。 バッドエンド③ 「復讐の黒猫」 ヒントになるかもしれないメモ ・梓と憂の間に何が? ・梓は律が思ったより危険な状態 ・梓は記憶喪失ではないがそれ以上の何かに囚われている 補足 ・嘘偏は律の記憶喪失と直接の関係はない ?直前から ?嘘偏の最初から 87. 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします 2010/11/20(土) 17 27 25.56 ID GBFrwsIo バッドエンドきたーw 1で! 89. 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします 2010/11/20(土) 22 15 49.80 ID ZHXXT3.0 ①いいですよ、『私に話せる』ことなら 梓「そうはいっても私は大したことは知りません」 梓「あの日は…確か唯先輩の提案で合宿をすることになったんです」 梓「急な話だったので、広くて、ご両親のいない唯先輩の家になって… 梓「……えっと、火事が起こったのは確か夜の10時頃で」 梓「その時私は唯先輩と一緒に1階に下りようと、2階の階段のところにいて」 梓「そしたら澪先輩が「火事だ!」って叫んでて… 梓「で、消防車を呼んで、逃げて、みたいな感じです」 律「うーん… 律「それじゃあ・・・・ ①他に何か気づいたことは? ②私の記憶喪失の原因になりそうなことは? 90. 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします 2010/11/20(土) 22 27 04.49 ID GBFrwsIo よしきた① 92. 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします 2010/11/21(日) 01 16 51.02 ID 4DpSJMQ0 ①他に何か気づいたことは? 律「何かあるか?梓?」 梓「えーと…… 梓「火事の後のことはよくわかりませんが…… 梓「そういえば…火事が起こる少し前にムギ先輩が急用とかいって帰りましたよ」 女「うーん」 律「それだけじゃな… 男「手詰まりか?」 女「どうしましょうね?」 律「じゃあ・・・・・ ①唯を呼ぶ ②憂を呼ぶ ③梓、嘘ついてないか? 93. 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします 2010/11/21(日) 01 22 32.84 ID QUPoc2AO ③ 94. 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします 2010/11/21(日) 01 51 30.01 ID 4DpSJMQ0 ③梓、嘘ついてないか? 律「違うか?梓?」 女「?」 男「どういう… 梓『いいえ、ついていませんよ』 女「!」 律「じゃあ、一つ聞かせてくれ」 梓「はい?」 ①さっき言ったことはどういう意味だ? ②ここに来る前、どこにいた? 95. 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします 2010/11/21(日) 02 08 06.32 ID zbAkqGMo ② 96. 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします 2010/11/21(日) 02 51 54.88 ID 4DpSJMQ0 ②ここに来る前、どこにいた? 律「どこからここに来たんだ?」 梓「どうしてそんなことを?」 律「……」 律「お前はさっき火事の後のことは知らないって言ったよな」 梓(…! しまった……) 律「普通、事件の当事者ならある程度はわかるはずだろ?」 律「でもお前はそうじゃなかった」 梓「クッ… 律「それは・・・・ 律「それはお前が警察から逃げているからだ」 梓「!!!」 律「さあ、諦めて全て話せ、梓」 梓「…」(まだ大丈夫……) 梓「わかりました」 梓「私はさっきまで平沢家にいました」 一同「!」 梓「律先輩の言うとおり、警察からも逃げていました」 梓「理由は簡単です」 梓「私が純の失踪に関わっていると思われていて、隠れ家にしていたからです」 97. 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします 2010/11/21(日) 02 53 26.47 ID 4DpSJMQ0 律「ちょ・・・ ①実際はどうなんだ? ②何でお前はそれを隠してた? 99. 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします 2010/11/21(日) 04 22 36.25 ID cRczDkAO おつ? 2で! 100. 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします 2010/11/21(日) 13 00 53.43 ID 4DpSJMQ0 ②何でお前はそれを隠してた? 律「どうして最初に言ってくれなかったんだよ」 梓「…勘違いしないでください。疑われてるだけでやってはいません」 梓「でも状況的には見つかったら即逮捕なので・・・ 律「そうだったのか……」 女「どうしてあなたは疑われたの?」 梓「……」 律「……梓?」 梓「……私はそもそも火事の件で疑われていたんです」 梓「そしてその調査をしていた純が失踪…… 梓「自分で言うのもなんですが、疑われるのは当然ですよ」 律「…… ①梓??、往生際が悪いぞ? ②また手詰まりか… 101. 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします 2010/11/21(日) 13 10 10.80 ID fkgPmQAO ①で 102. 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします 2010/11/21(日) 13 25 25.58 ID 4DpSJMQ0 ①梓??、往生際が悪いぞ? 律「梓、いい加減にしろよ?」 梓「……」 律「じゃあ、聞くがお前は何故火事の件で疑われた?」 梓「……」 律『答えろ、梓』 梓「……それは…… 梓『言えません』 男「何をいまさ 梓『もう一度言います。絶対に喋りません』 梓「今喋ったら…… 『私は何のために今日まで生きてきたんですか?』 律「どういう意味だ…?」 梓「・・・ バチバチ!! ガクッ! 女「なっ……! 男「こいつ、自分のスタンガンで…! 律「あずさ! 律「……気絶してるだけみたいだな」 律(・・・これからどうすれば・・・・・・・ ①平沢家に向かう ②誰かを呼ぶ 103. 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします 2010/11/21(日) 13 58 14.12 ID bzydlQAO おっときてた② 104. 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします 2010/11/21(日) 15 06 37.42 ID 4DpSJMQ0 嘘偏 ②誘導 105. 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします 2010/11/21(日) 15 11 21.51 ID 4DpSJMQ0 ②平沢家へ向かう 律「平沢家へ行こう」 女「!」 男「いいかもしれないな」 女「…そうですね、これ以上人を呼んでもあれですし……」 律「あ、力持ちのお兄さん、梓を頼むよ」 男「くそっ、俺はまだ酒も飲めない年だぞ…」ブツブツ 女「はやく行くよ」 ・・・・・・・・・・ 律「ここか…… 女「では早速・・・ 律「いや、その前に… 女「?」 ①管理人みたいな人がいるんじゃ? ②梓の他に誰かいるのかも… 106. 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします 2010/11/21(日) 15 13 49.52 ID L8w5uYwo 1 107. 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします 2010/11/21(日) 15 31 04.90 ID 4DpSJMQ0 ①管理人みたいな人がいるんじゃ? 律「そうじゃなきゃ梓は簡単に見つかってるだろ?」 男「まあ、そうかもな」 ・・・・・・・ 一文字「誰だい?」ヌッ 律(この人か?) 律「あっ、すいません、この家に用があって… 一文字「そうかい…ってその子は梓ちゃんじゃないのかい!?」 男「そうですよ」 一文字「一体何が……??? 律「えっと、中に入れてもらえますか?」 一文字「好きにしな… 律「ありがとうございます」 ガチャ バタン ・・・・・・・ 一文字「唯ちゃん…一体何が起こってるんだい?」 律「おじゃましまーす?」 女「誰かいますか??」 ・・・ ?『いるよ?』 男「!」 律「えっ?」 ?『あれっ?りっちゃん?私のことわかる?』 律「…わかるよ、唯」 唯「あれ?それあずにゃん? 寝てるの??」 108. 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします 2010/11/21(日) 15 36 34.24 ID 4DpSJMQ0 律「・・・・ ①あの日のことを話してくれ ②何をしてたんだ? 109. 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします 2010/11/21(日) 15 37 09.45 ID 4DpSJMQ0 これからバッドエンドが更に減りそうなので…… ・梓の嘘とは? ・純の失踪の真相は? ・神社と呪いと地震と火事の関係は? ・律の記憶喪失の原因は? ・女と男の目的は? ・梓と憂の間に何が? ・紬と澪は今何を? 110. 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします 2010/11/21(日) 15 38 02.41 ID YYipiIwo ② 4
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梓「・・・へ?」 純「う゛・・・(やっぱこの嘘は無理あったか・・・)」 梓「純、ノーパンなの?」 純「えっと・・・(でも今更嘘でしたなんて言えない)」 梓「よかったぁー!!」 純「うん・・・って、はいぃ?」 梓「ノーパンなのって私だけじゃなかったんだぁ!」 純「そうそう、梓だけじゃって何ぃぃぃぃぃ!?」 梓「私ね、実は今日ノーパンなんだ!それで先輩達から逃げてきたんだけど・・・」 純「(こいつ・・・馬鹿じゃねぇの!?)」 梓「ノーパン人口って結構多いんだね!本当によかった!」 純「いや、ノーパン人口って何」 梓「いやぁ、それなら貸せないよね!だってパンツ履いてないんだもんね!」ウキウキ 純「あ、うん・・・(仲間を見つけたからか、嬉しそうな顔してるなー梓)」 梓「仲間を見つけたのは嬉しいけど・・・これからどうしよう・・・」 純「えっと・・・他に知り合いはいないの?」 梓「うーん、あとは・・・唯先輩の友達の和さんって人が・・・」 純「まだ学校にいるかな?」 梓「生徒会の人だから、多分まだ仕事してると思うけど・・・」 純「じゃあその人に頼るしかないんじゃない?」 梓「でも・・・あまり仲良くないし・・・」 純「事情を説明すればなんとかしてくれるよ」 梓「そうかなぁ?現実的じゃない気がする・・・それなら水泳部の方が・・・」 純「水泳部?」 梓「そう、きっと今の時間はまだ泳いでるから、更衣室に着替えが置いてあると思うんだ?」 純「いや、そっちの方が現実的じゃないでしょ!?」 梓「そうかなー?」 純「とりあえず、生徒会室行ってその和さんって人と話しなよ」 梓「うん、わかった。じゃあ行こっか」 純「へ?私はジャズ研に戻るよ?」 梓「はい?」 純「いや、いやいや」 梓「乗りかかった船、でしょ?」 純「えー」 ※安価 純ちゃんを連れてく 純「わかったよ、一緒に行ってあげる」 梓「うん!さすがノーパン仲間だね!」 純「大きい声で言わないで」 梓「そっか!ごめん!二人だけの秘密だったね!」 純「あ、うん・・・(梓、本当に生き生きしてるな)」 梓「えっと、じゃあどのルートからいこうかな・・・」 純「体育館の前を通るか、理科室の前を通るか、だね・・・」 梓「理科室の前の方が人いなさそうだよね?」 純「うーん」 ※安価 体育館の前を通る 純「あえての体育館で」 梓「本当にあえてのだね。でもなんで?」 純「ほら、そろそろ文化祭が近いでしょ?だから体育館でリハーサルとかしてるかもよ?」 梓「なるほど。それで、体育館にいなかったら予定通り生徒会室に行けばいいか」 純「そういうこと」 梓「純ってたまに頭いいよね」 純「梓ってたまに一言多いよね」 梓「さっ行こう!」 純「はいはい」 … … そのころ 紬「さっき窓が割れたような大きな音がしたけど・・・なんだったのかしら?」 律「さあ?とりあえず梓探そうぜ」 紬「ねえ、りっちゃん・・・」 律「んー?」 紬「澪ちゃんを探した方がいいんじゃない?」 律「へ?なんで?」 紬「だって・・・音楽室に入ってくるなり、泣きながら走って行っちゃったでしょ?」 律「・・・へ?澪のヤツ、泣いてたか?」 紬「え」 律「え?」 紬「気付かなかったの?」 律「ああ、ごめん。気付かなかった・・・」 紬「そのあとすぐにりっちゃんが『探しに行こうぜ』なんて言うから、私はてっきり澪ちゃんのことかと・・・」 律「いんや、『澪は戻ってきたってことは失敗したんだなー、じゃあ私達の出番か!』って思って言ったんだよ」 紬「すれ違う幼馴染・・・悪くないわ・・・!」 律「まーた始まったよー」 紬「あら、ごめんなさい」 律「ま、いいけどな。事実だし」ボソッ 紬「へ?今何か」 律「いいい言ってない!///とりあえず、澪と梓探すぞ!」 紬「りっちゃん・・・適当に歩いて、どっちか見つかればいいや、って思ってるでしょ?」 律「うーん、あたり」 紬「他に方法もないし、そうしましょうか」 律「お、体育館でなんかやってるぞ!」 紬「何かしら?」 律「うーん、文化祭の打ち合わせじゃないか?」 紬「なるほど、じゃああそこにいるのは実行委員達ね?」 律「うん、多分」 紬「あれだけ人がいれば二人を見かけた人もいるかも」 律「お!そうだな!行ってみようぜ!」 … … 梓「で・・・とりあえず体育館に来てみたけど・・・」 純「人はいるけど・・・和さんって人、いそう?」 梓「いそうなような、いなさそうなような・・・」 純「・・・。しょうがない、聞き込みでもしようか」 梓「そうだね」 純「すみませーん」 女子1「はい?」 純「和さんって人、見かけませんでしたか?」 女子1「和さん・・・あ、真鍋さんね?」 梓「はい!そうです!」 女子1「真鍋さんだったらステージの裏にいると思うわよ」 純「そうですか、ありがとうございました!」 梓「ありがとうございます!」 純「・・・案外簡単に見つかったね!」 梓「うん!」 ステージ裏 梓「えっと・・・暗くてよく見えないや・・・」 純「あ、あのすみません」 ???「はい?」 純「真鍋さんって方、いますか?」 ???「あら、真鍋は私よ」 純「和さんですか!」 和「ええ、どうしたの?」 梓「用事があるのはわたしの方なんです」 和「あなたは、梓ちゃんじゃない」 梓「あれ、私のこと覚えててくれてたんですね!」 和「ええ、唯から話は聞いてるわ。どうしたの?」 梓「あの・・・パンツを」 和「え?」 梓「だから、その・・・」 和「わかったわ。本当にいいのね?」 梓「へ?」 和「ふんっ」ドゴォッ! 梓「ぐはぁ!?!?」 純「」 梓「な・・・なん、で・・・?」ヨロヨロ 和「え、今パンチをって言ってたから・・・」 梓「パンチじゃなくて・・・パンツ、です・・・」ゼェハァ 純「梓、生きろ」 和「あら、ごめんなさい。でも、パンツ?」 純「そうなんです、梓は和さんにパンツを借りようとここまで来たんです」 和「」 和「はい?」 梓「だから・・・パンツを貸してほしいんです、今日1日だけでいいんで・・・!」 和「それは、なんで?」 純「軽音部のみんなにパンツを見せろって追いかけられてるらしいんです」 梓「はい、それで、今日のパンツは可愛くないからみんなに見せられなくて・・・」 和「あの子達がやりそうなことね・・・。主犯は唯?それとも律かしら?」 梓「いいえ、澪先輩です」 和「なんと」 梓「みんなかなりノリノリで、それで、私逃げてきたんです」 和「そうだったの・・・」 梓「お願いします!本当に一生のお願いです!」 和「・・・しかたがないわね」 梓「!?あ、ありがとうございます!!」 和「こんなのでよければ、どうぞ」 梓「」 純「・・・何このババアみたいな下着」 梓「純!シャラップ!」シッ 和「ふんっ」ドゴォ! 純「ぐはぁ!!!」 梓「・・・だから言ったのに・・・」 和「梓ちゃんは純ちゃんみたいなこと、言わないわよね?」 梓「えっと・・・(どうしよう、ノーパンの方がマシだ)」 和「梓ちゃん・・・?」ユラッ 梓「(ひぃぃぃ!)もちろん!ありがとうございます!感激です!」 梓(これは・・・この場は借りてポケットに仕舞って置こう、うん) 純「かはっ・・・おぇ・・・!」ゼェハァ 和「そう?」スルスル 和「はい、どうぞ」 梓「あ、あとがとうございました!」 和「ちょっと待って。梓ちゃんの下着は?」 梓「へ?」 和「交換しないと、私ノーパンになっちゃうわ?」 梓「えええ・・・っと・・・」 和「ほら、早く」 梓「キモいパンツだから、誰にも見られたくないです・・・」 和「そう・・・しかたがないわね。今日はノーパンで過ごすわ」 梓「あ、ありがとうございます!」 梓(ああ!これで和さんの下着がババ臭くなかったら完璧だったのに!) 和「それじゃ、頑張ってね」 梓「ありがとうございました」 純「ぐぇ・・・がはっ・・・!」 梓「・・・」 和「純ちゃんはここでしばらく休ませることにするわ」 梓「えっと・・・」 純(梓、置いていかないで・・・!殺される!) 梓「はい、純もちょっと疲れたみたいなんで、しばらく休ませてあげてください」 和「ええ、喜んで」 純(えええええ!?私にとっては全く喜ばしくないんですけどぉぉぉ!?) 梓「それじゃ!」 梓「純、ごめん。今度アイス奢る」ボソッ 純「(割に合わねぇぇぇぇ!!)」 … … 律「うーん、いそうでいないな、二人とも」 紬「一筋縄ではいかないってワケね?」 律「どうしよう、一旦部室に戻るか?」 紬「うーん、もうちょっと探しましょう?」 律「って、あれ・・・?」 紬「どうしたの?」 律「今、ステージ裏から出てきたの、梓じゃないか?」 紬「えーと・・・そうね」 律「はっはっは!梓みーっけた!」ダッ 紬「あらあら」ウフフ 梓「!?律先輩とムギ先輩!?」 律「待てこらー!!」ダッ 梓「もー!なんなのー!」ダッ 律「こらー!待てってばー!」 梓「次から次へと・・・!」 紬「うふふふふふふふふふふふふ」 梓「ムギ先輩怖っ!」 律「パンツ見せろー!」 梓「いやなこった!」 律「パンツくらいいいだろー?」 梓「駄目です!駄目ったら駄目です!」 律「細かいことは気にスンナ☆」 梓「全っ然細かくねぇです!」 律「梓ー!私の方が足速いこと、忘れんなよー!?」 梓「げっ!」 紬「うふふふふふふふふふふふふふ!」 梓「お前は日本語喋れよ!さっきから怖ぇよ!」 律「よっしゃ!!!」ガシッ 梓「きゃっ!?」ガクッ 律「捕まえたぜ!」 紬「りっちゃんナイス!」 梓「は、離せです!」 律「いやなこった!」 梓「いやー!いやー!」 律「なんだよ、スカートめくるだけだって!」 梓「それがイヤだって言ってるんですよ!」 紬「梓ちゃん、乙女には乗り越えなきゃいけないことがあるの!」 梓「パンツ晒されるのが乙女の務めだと言うなら今すぐ乙女なんてやめてやる!」ジタバタ 律「いいから!観念しろ!」 梓「律先輩!」 律「なんだよ!」 梓「澪先輩とは話しましたか!?」 律「話してねぇよ!」 梓「なんですって・・・!話して!そして離して!」 律「いやなこった!」 梓「早く行かないと!」 律「なんだよ!」 梓「手遅れになります!」 律「澪とは後で話すよ!」 梓「後でじゃ駄目です!」 律「なんでだよ!」 紬「そうよ!りっちゃん!やっぱり澪ちゃんを優先しましょう!?」 律「ムギまで何言ってんだよ!」 梓「ムギ先輩の言うとおりです!急ぐです!」 律「そんなこと言って逃げようとしてんだろ!」 梓「何言ってるんですか!今すぐ澪先輩を探してください!」 律「こ と わ る !」 梓「律先輩のわからずや!」 律「大体、なんでそんなに早く澪と話しなきゃなんないんだよ!」 梓「それは私の口からは言えません!」 紬「りっちゃんだって本当はわかってるんでしょう!」 律「なっ・・・!」 梓「そんなに私のパンツがみたいならいいですよ!私はここで待ってます!」 紬「!?」 梓「だから早く行ってあげてください!」 律「くっそ~・・・!わかったよ!///」 紬「りっちゃん、私も一緒に探すわ!」 律「おう!じゃあ見つけたらケータイに連絡してくれ!」 梓「・・・ケータイ持ってるなら澪先輩に電話しればいいじゃないですか」 律「あ、そうか」 紬「それもそうね」 梓「ほら、早く」 律「う・・・わかったよ、あとでな」 梓「なんで」 紬「澪ちゃんとの会話、聞かれるの恥ずかしいとか?」 律「ままままさか!///」 梓「じゃあ早くかけて下さいよ」 律「わ、わかったよ!」 律「うぅ・・・///」 プルルルル・・・ 只今電話に出ることが出来ません・・・ 3
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星人『……! 現れたな、ウルトラマンタロウ!』 光太郎「なぜお前が、この世界にいるんだ!」 星人『決まっている!お前を倒すため、地獄の闇から蘇ったのだ』 光太郎「お前を蘇らせた黒幕は誰だ!?」 星人『ハハハハハ!黒幕?そんなことはどうでもいい。ワシはただ、お前を倒すのみ……だッ!』 光太郎「ぬぉっ!?」 星人『どうした。早くタロウに変身しろ。さもなくば死ぬぞ』 光太郎「……こんなところで、戦うわけにはいかない」 星人『ぬるい事を言うな!変身しないと言うんなら、そこの警官を殺してもいいんだぞ』 光太郎「何だって!?」 星人『無論、街の人間もろとも皆殺しでも構わないが……さぁ、どうする?』 光太郎「くそっ……タロォォォォウ!」 星人『ふっ、そう来なくてはな!』 タロウ『……いくぞっ!』 …… 梓「……あれ、光太郎さんは?」 憂「それが、すぐ戻るって言って……どっか走ってっちゃった」 梓「また何か聞こえたのかな」 純「聞こえたって?」 梓「自分をこの世界に呼んだ人を探してるんだって」 純「どんな人さ」 梓「私くらいの女の子だって」 純「何それ……」 憂「いくらウルトラマンでも、なかなか難しい注文だね……」 純「声だけって、不親切じゃない」 梓「でも、結構ニアミスがあったみたいよ?るるぽーとだけでも3回くらい」 純「偶然じゃないの?」 梓「でも光太郎さん、これだって人にしか声かけてないみたいだし。それは違うと思う」 憂「なるほどねえ……」 純「それで、空いた時間におデート、と」 梓「に゛ゃっ……!」 純「いやはや、まさか梓がねえ」 梓「そっ、その話はさっき済んだんじゃないの!?」 純「人の恋路はおちょくってナンボでしょ、ねー憂?」 憂「ねー?」 梓「」 純「で、どうなのさ?ウルトラマンと過ごした感想は」 梓「どうって……普通のお兄さんって感じだったよ」 純「……ちっ」 梓「何その反応!?」 純「だってさ、ウルトラマンだよ!?なんでそんなあっさりしてるのさ!」 憂「本物になんて絶対会えないからねえ」 純「ファンの人が聞いたらスペシウム光線の蜂の巣だよ」 梓「ほんとなんだってば!まっすぐで、気取ってなくて、とっても爽やかだし」 梓「正直……こんなお兄ちゃんなら欲しいかなあ……なんて」 純憂「「……」」 梓「……何?」 純「あーもー!うらやましい!」 憂「梓ちゃん健気~♪」 梓「えっもう、何よこの雰囲気ーっ!?」 「あーずにゃぁぁん!」 梓「に゛ゃぁっ!?」 唯「んー、しあわせー♪」 憂「お姉ちゃん!」 梓「うぅ~……」 律「良い子の諸君!お揃いかねー!」 澪「偶然だな」 紬「みんな一緒なのね」 純「と、軽音部の皆さん?」 …… …… タロウ『タァァァァッ!』 星人『グァァァァァッ!』 タロウ『くっ……まさか、ここまで粘られるとは……』 星人『ふ……はは、なんてことだ、昔戦った時はああも弱かったお前が』 タロウ『もう、あの頃の甘えた末っ子ではない。それを見誤ったお前の負けだ』 星人『くっ……さすが、言うことが違うな。ウルトラ兄弟一のエリートというわけか……ハハハ』 タロウ『……なぜだ?なぜ、そこまでの余裕を』 星人『はっ……!わしの目的はもう既に果たしたからな……』 タロウ『何っ?』 星人『奴の言いなりになるのは癪だったが……お前ともう一度戦えるのならばと了承した』 タロウ『答えろ!奴とは誰だ!』 星人『今にわかる――ぐふぁッ!』 タロウ『なっ!?』 星人『は……はは……やはりお前は、昔と同じだ、な』 星人『目の前の罠に全力で飛び込み――隣の女を見失――』スゥゥ…… タロウ『……!?』 タロウ(梓ちゃんが……!?) …… …… 紬「そういえば三人は、どういう集まりなのかしら?」 純「たまたま会ってお出かけですけど……先輩方は?」 澪「学校で講習会をやってくれるっていうから、みんなで受けてきたんだ」 憂「ああ、受験生ですもんね」 梓「ところであの、唯先輩」 唯「なーに?」 梓「なんかいつもより締め付けられてる感が強いんですがそれは」 唯「クックック、よくぞ聞いてくれたなあずにゃん君」 梓「はぁ」 唯「私は今、猛烈に君が妬ましいのだよ」 律「そうだよ!」 梓「はい?あと律先輩、なんで便乗する必要があるんですか」 律「とぼけるな!もうネタは上がってんだぞぉ!」 唯「さあ吐きなさい!生の怪獣、ウルトラマンの迫力を!」 梓「はにゃぁぁっ!」 澪「こら、落ち着けお前ら」ペシッ 唯律「あうっ」 梓「はぁ、はぁ……やっぱり、先輩方の周りもその話題ですか?」 紬「そうね。私たちも部室から遠巻きに見てたけど、唯ちゃんとりっちゃんがすごくはしゃいでてね」 唯「そりゃそうだよ、なんたって本物だよ?」 律「ずるいぞ!梓だけ生で見たなんて!」 唯「そうだよ!生のウルトラマンに黄色い声上げるなんて、ずるいよ!」 律「ずーるーい!ずーるーい!」 梓「ずるいって……」 純「確かに迫力はありましたけどね」 澪「でも、本当に本物の怪獣が出るなんて……」 紬「何か不思議よね。どうなってるのかしら」 唯「まあまあ。本当にいただけでも私は嬉しいよ?」 律「別に、もっと出てきてもいいのになー」 梓「何言ってんですか!?」 澪「!?」ビクッ 梓「私なんか、あの時必死で逃げて、危うく死にかけたんです!」 梓「あんなの……見世物なんかじゃないんですよ!?」 律「で、でもさぁ。せっかく出たってのにすぐに倒されたってのはなぁ」 唯「ちょっとつまんないよね」 律「その通り!もっと強いやつが来てくれないとつまらんぞ!なぁムギ!」 紬「ええっ?私は、みんなと一緒ならそれでいいかな……って」 梓「いくらなんでも、唯先輩も律先輩も言いすぎです!」 『それはどうかな』 梓「!?」 『未知に対する興味関心は誰にでもあると思わないか?』 梓「律先輩……いや、律先輩じゃない……?」 『なぁ、そうだろ? 中野梓』 梓「だ……誰?」 『異次元人――ヤプール』 紬「……梓ちゃん?」 澪「おーい、梓?あずさ!――へんじがない」 律「どうしたんだ?急にぼーっとして」 紬「しかも、りっちゃんをじーっと見つめて……」 律「――はっ!?」 唯「まさかあずにゃん、そういう……」 律「私のここ、いつでも空いてますよ」 唯「埋まってたことないでしょ!」 律「へっ!」 『ふふ、騒がないか……賢明だな。この声は、お前にしか聞こえないのだ』 梓「そんな……なんで、そんな事を」 『お前に話があるからだ。もちろん、邪魔者のウルトラマンタロウは抜きでな』 梓「っ……光太郎さんは!? 光太郎さんに何したの!!」 『そんなに逸るな……ちょっとした足止めに、刺客を放っただけだ』 『ウルトラ戦士がそんなものでくたばる訳がないだろうが』 梓「捨て駒って……そんな」 『ひどいとでも言うか?心外だな』 『我々の怨念は一蓮托生……奴もタロウと戦えて満足だろうに』 梓「怨念――そういえば、昨日部室で」 『ほう、お前には聞こえていたか……ハッハッハッハッハ!』 梓「え?」 『ハッハッハッ!実に面白いぞ、中野梓!』 『何も知らないままの人間をただ滅ぼすだけではつまらんがな』 『我々の呪いを知っていながら何もできない方が、俄然楽しいではないか』 『ましてやそれが怨敵――ウルトラマンタロウの、最も身近な人間だと言うのだからな』 『そんな無力な人間からウルトラマンという希望を消し去れるなんて、最高の余興じゃないか』 梓「……バカみたい」 『ん?』 梓「光太郎さんは……ウルトラマンは負けない!」 梓「あんたみたいな卑怯者なんかに、絶対負けないんだから!」 梓「その体から出てきなさい!」 『……ほう!』ポゥッ…… 梓「にゃっ!?」ズキッ 『もうじき、我々の呪いで強力な怪獣が生まれる。ウルトラマンタロウなど全く問題ではない』 『だがお前は別のようだな』 『私の声が聞こえる人間……さすがはといったところか』 梓(……え……?) 『今ここで殺ってもいいが……それでは楽しくない』 『手始めにウルトラマンタロウから殺し――必ずやお前を、絶望の渦へ叩き込んでくれる!』 梓「うぁぁぁっ!」ズキィィッ 純「梓っ!?」 憂「大丈夫!?しっかりして!」 紬「梓ちゃん!?」 澪「大丈夫か!?」 梓「頭の中……覗かれてるみたいな……」 『あはっ……あはははははっ!』 梓「いや……やめて」 澪「お、おい梓?」 紬「梓ちゃん……?」 『あハハ……ハッハッハッハッ……!』 梓「やめて……その声で笑わないで……!」 唯「……えっ?」 純(どうしよ憂、このままじゃ梓が可哀想だよ) 憂(任せて!) 憂「あ、そうそうお姉ちゃん!お腹空いてない?」 唯「あぁー……うん、もうペコペコですよぅ」 憂「そうだよね!一緒にお買い物でもして帰ろうか!」 唯「えっ?でも、あずにゃんが」 憂「梓ちゃん調子悪いみたいだし、みんなで囲んでたら逆に疲れちゃうよ!ねぇ純ちゃん?」 純「そうだよね!梓の面倒は私が見るんで、皆さんはご飯でも食べてきてください!」 澪「あぁ……うん」 紬「ごめんね、引き止めちゃって」 律「あんまり無理すんなよ~?」 唯「また学校でね?」 憂「じゃあ純ちゃん、あとはお願いね」 純「ラジャ!」 梓「あぐっ……うぅ」 純「梓、ねぇ梓ってば!」 光太郎「あっ、梓ちゃーん!!」 純「光太郎さん!どこ行ってたんですか」 光太郎「そんなことより純ちゃん、梓ちゃんはいったい!?」 純「それがさっき急に倒れて、頭の中覗かれてるみたいって」 光太郎「なっ……梓ちゃん!しっかりするんだ、梓ちゃん!」 梓「はっ……!」 光太郎「大丈夫か?」 梓「光太郎さん……!」ギュッ 光太郎「わっ!?」 梓「っ……律先輩が……!律先輩が!!」ポロポロ 光太郎「落ち着いて!」 梓「うぅ……」 純「ねぇ、本当にどうしたの?昨日からずっと調子変だよ」 梓「……話しても、信じてくれる?」 純「当たり前じゃん!!」 光太郎「何でも、話してくれよ」 梓「……ありがと。あのね――」 光太郎「何っ、ヤプール!?」 純「――律先輩が!?」 梓「……必ず、タロウを殺して、お前を絶望の渦に叩き込んでやるって」 純「ひどっ……何それ、幻聴とかじゃなくて?」 梓「違うよ!あんなにはっきり聞こえてきて、私も言い返したもん」 光太郎「なんてことだ!まさにヤプールのやり口だ……くそッ!」ドン 純「光太郎さん、その、ヤプールって?」 光太郎「異次元から来た侵略者だ。あらゆる世界を我が物にしようとする、悪魔のような奴だ」 梓「悪魔……」 純「じゃあ、空が割れたり、怪獣が出たのは」 光太郎「ヤプールの仕業だ。その律って子を利用して、力を蓄えてるんだろう」 光太郎「現に、宇宙人までもがこの世界に呼び出されていた」 光太郎「このままだと、もっと強力な怪獣を呼び出して、この地球を侵略するに違いない」 梓「侵略って、そんな……うそ」 純「でもおかしいですよ!地球が狙いなら、なんでわざわざ梓なんかを狙うんですか?」 光太郎「……僕に一番近い人間だったから」 純「え?」 光太郎「奴はウルトラ戦士に強い恨みを持っている……きっと、僕に一番近い梓ちゃんを狙って、僕を挑発したんだろう」 純「ひどい……」 梓「……それだけじゃないです」 光太郎「なんだって?」 梓「アイツは、自分の声が聞こえる人間をさすがだとか言ってました」 梓「なんだか、その言葉が妙にひっかかってるんです」 光太郎「……梓ちゃん。昨日、変な夢を見たって聞いたけど」 梓「ええ。でも、それが何か」 光太郎「たぶん、それは夢じゃない」 梓「え?」 光太郎「もう一人の……『わたし』の記憶」 光太郎「君が、僕をこの世界に呼んだんだ」 梓「――うそ」 光太郎「君と一緒にいて、何か違和感を感じることが多かった」 純「違和感?」 光太郎「ああ。初めて会った気がしないというか」 光太郎「でも、こう考えれば納得がいく。僕たちは――」 ガシィィィィンッ!! 光太郎「――なっ!?」 ガシンッ! ガシッ! ガッ……コン……!! 『グワシ……』 光太郎「き……キングジョー!!」 梓「ろ、ロボット!?」 光太郎「セブン兄さんが倒せなかった強敵だ!ヤプールめ、なんて奴を……!」 『グワシ……グワシ』 5
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梓「あずにゃん!?」 律「いやほら、軽音部の儀式みたいなもんだから」 梓「あだ名がですか?」 律「コミュニケーションの一環でさ」 梓「それはいいんですけど、あずにゃん……はちょっと」 澪「もっと可愛さが欲しいと」 梓「そうではなくて」 唯「あずにゃんにゃん とかは?」 梓「悪化してます」 紬「あまり媚びすぎるのもどうかと思うけど……」 梓「だから本名登録でいいんですけど」 律「じゃあ 『半沢直樹』 で」 梓「中野梓です」 澪「あずみょん」 唯「あずにゃんぱみゅぱみゅ」 律「アズサ・デラックス」 紬「妖怪 腐れ外道」 梓「ムギ先輩は私のこと嫌いなんですか?」 律「行き詰ってきたな」 梓「皆さんそういうしょうもないあだ名を付け合ってるんですか?」 律「しょうもないって言うな」 澪「女子高生っぽいだろ」 梓「ムギ先輩はわかりますけど」 唯「でしょ?」 梓「律先輩は?」 唯「りっちゃん」 梓「それってあだ名なんですか?」 律「本名ではないからな」 梓「ほぼ本名じゃないですか」 紬「ギリギリね」 唯「ギリギリセーフだよね」 律「ロックだろ?」 梓「ろくでもない」 澪「まったくだ」 梓「じゃあ唯先輩は?」 唯「YUI」 梓「いやいや」 澪「ほら、あのシンガーソングライターにあやかって……」 梓「呼び方変わってないじゃないですか」 律「YUI」 紬「YUIちゃん」 梓「いやいやいや」 律「人の愛称にケチをつけるなよ」 唯「あずにゃんのくせに」 澪「何があずにゃんだよ」 紬「可愛い子ぶっちゃって」 梓「うあああああああ!!」 ジャガジャガジャガ ギュィィィィィ 澪「速弾き!?」 梓「私の自主性が試されてるのかと思って」 ハァハァ 澪「どういう自主性を示したいんだ」 律「なんでギターなんか持ってきてんだよ」 梓「ここってなに部でしたっけ?」 澪「それはともかく、なんか愛称があったほうがいいだろ?」 梓「澪先輩も何か二つ名みたいなのがあるんですか?」 澪「二つ名ではない」 梓「メンヘラとか援交とか?」 律「MIO」 梓「二度も同じ手が通用すると思ってるんですか」 律「澪はあれだよ」 律「ディオとDIOみたいなもんだよ」 澪「えっ」 梓「だから呼び方同じじゃないですか」 律「バッカお前、ディオとDIOじゃ全然違ってくるだろお前」 梓「全然違うなら愛称にならないじゃないですか」 紬「澪ちゃんは吸血鬼というよりサキュバス寄りよね」 唯「さきゅばす?」 紬「サキュバスというのはね」 澪「聞かなくていいからな」 唯「澪ちゃんは知ってるの?」 梓「なんですかサキュバスって」 梓「具体的にどういう悪さをする淫魔なんですか」 澪「それは、あれだよ、その……」 唯「澪ちゃんみたいな吸血鬼なの?」 梓「性の化身みたいなやつですね」 紬「だいたい合ってるわ」 澪「なんか死にたくなってきた」 律「また人間をやめたくなってきたのか」 梓「あっ、DIOっぽい」 梓「じゃあ私のあれもそんな感じでいいですよ」 紬「淫魔にしては性的魅力がちょっと……」 澪「淫魔って言うな!」 梓「そうじゃなくてDIO方式で」 律「悪のカリスマ性がないからダメだ」 梓「新入生に悪のカリスマを求めないでください」 梓「AZUSAとかそんなんでいいですよ」 律「長い」 澪「語呂が悪い」 唯「語呂にゃん」 梓「正式名称なんですけど!?」 紬「それじゃYUIちゃんの二番煎じになっちゃうじゃない」 梓「後輩なんですから二番煎じでいいんですよ」 唯「AZU-NYAN!」 梓「AZU-NYAN!?」 律「POKEMONみたいだな」 梓「だから、にゃんはいらないんですよ!!」 澪「唯はゲームを買っても説明書を読まないタイプなんだ」 唯「ふふん」 梓「だったらどうだって言うんですか」 梓「そんな目で見られても認めませんよ私」 紬「あのね、梓ちゃん」 紬「すごく言いづらいんだけど」 紬「欧米で 『ポケットモンスター』 というのは男性器を連想させるスラングで」 梓「だったらなおさらやめて下さいよ!!」 唯「ちょっと逆に考えてさ」 梓「逆に」 唯「語尾に 『にゃん』 をつければあずにゃんって呼ばれても不自然じゃないよね?」 澪「一理ある」 梓「私そういうキャラじゃないんですよ」 律「100円やるから」 梓「私そういうキャラじゃないですにゃん!」 唯「あざとい」 律「なに可愛い子ぶってんだよ」 紬「ネコかぶっちゃって」 梓「100円は?」 澪「じゃあ逆にさ」 梓「逆の逆って方向性が変わってないですよね」 澪「語尾が 『サー』 だったら必然的に 『あずさー』 ってなるだろ?」 律「確かに」 梓「もはや 『あだ名とは何か』 って領域に達してきますけど」 澪「1000円やるから」 梓「サー!」 紬「軍隊みたいになったわ」 澪「まるで私たちが後輩に服従を強いているかのようだ」 梓「なにひとつ間違ってませんけど」 律「方向性は間違ってないはずなんだけどな」 梓「逆の逆に向かってますからね」 梓「それより10000円は」 紬「お金で何でも解決できると思わないで」 梓「解決できてないですけどね」 梓「あだ名というのは本人の意見も尊重されるべきです」 澪「お前さっき人のことメンヘラ呼ばわりしてたよな?」 梓「見た感じで推察しただけですよ」 澪「なるほど」 澪「何ひとつフォローになってないな」 梓「違うんです、思ったことが口に出ただけで」 澪「じゃあ梓の愛称も見た目や性格を考慮してやればいいんだな」 紬「ムッツリスケベとか?」 律「ヒス女とか?」 唯「ヒスにゃん!」 律「ヒステリック・チビ」 紬「チクビ?」 律「クソチビ」 唯「チビにゃん!」 紬「まな板にゃん」 梓「ほとんど悪口じゃないですか!!」 梓「律先輩にだけは言われたくないんですよ!!」 梓「痛い痛い痛い」 ギリギリギリ 律「まいったか」 唯「じゃあ何にゃんだったら喜んでくれるの?」 梓「にゃんから離れてください」 唯「ワン」 梓「この人は何か頭の病を抱えているんですか」 紬「唯ちゃんには妹がいるんだけど」 梓「はあ」 紬「昔から妹のほうが出来がいいとか胸が大きいとか言われ続けていて」 梓「その劣等感で精神を病んでしまったんですか?」 紬「二人とも可愛いものが大好きでね」 紬「よく一緒に買い物したり、お料理したり、とても仲のいい姉妹だったの」 紬「だけどある日……」 梓「えっ、何かあったんですか?」 紬「そんな二人を見ていて思ったんだけど」 紬「私、姉妹同士もアリだと思うの!!」 ド ン ッ 梓「この人も思考回路が疑わしい」 澪「結局、何にゃんだったら納得するんだよ」 澪「にゃんだったら納得するんだよ」 梓「ちょっと可愛く言い直しても受け入れませんよ」 紬「じゃあ 『男の娘』 でいい?」 梓「女の子ですよ!?」 紬「あのね、梓ちゃん」 紬「とても言いづらいんだけど」 梓「今度はなんですか」 紬「医学的に見て、乳房の発育は14~15歳あたりでほぼ確定されるの」 梓「もう少し言いづらそうな顔で告知してください」 唯「えっでも私、高校に入ってから胸む ぐっ 澪「よせ、唯」 澪「奴の前で胸囲の発育に関する話題はNGだ」 澪「部長に殺られたいのか」 紬「犯られたの?」 澪「私はまだ大丈夫」 紬「そう……」 澪「なんで残念そうなんだ」 澪「いいか、残念組の乳房に対する執着は男子中学生並みだからな」 律「誰が残念組だ」 澪「一見明るいお調子者だけど、胸に抱える闇は計り知れない」 唯「りっちゃん……」 律「どういう表情なんだそれは」 梓「なんで胸を隠すんですか」 紬「この世界は不平等で成り立っているのよ」 律「まあ澪の場合は脂肪がつきやすいだけだけどな」 澪「ははっ」 律「へへっ」 紬「うふふ」 澪「殺すぞ!?」 ガタッ 律「来いよ!!」 ガタッ ガッ ゴッ ドゴォ 梓「あの、あれ、あの」 紬「いいの、日常茶飯事だから」 紬「昔から言うでしょ? 『喧嘩するほど中がイイっ!』 って」 梓「初耳ですが」 紬「あれは仲直りセックスみたいなものだから」 紬「仲直りセックスって知ってる?」 紬「仲直りセックス」 梓「連呼しないでください」 唯「好きの確率~割り出す~計算式~♪」 ジャンガ ジャンガ 梓「なんなんですかこの自由すぎる部」 紬「どう? 軽音部、やっていけそう?」 梓「どう判断してそう思ったんですか」 澪「とりあえず軽音部に入ってくれるってことでいいんだよね?」 梓「ええと、まあ、何だかんだでライブの演奏もいい感じでしたし」 唯「ほんと!?」 梓「なんていうか、皆さん上っ面だけじゃなくて本当に仲が良さそうで」 律「だろ?」 梓「だからきっと、他にも新入部員が来てくれると思いますよ」 澪「ん?」 律「え?」 梓「じゃあ、可愛い後輩が来てくれるといいですね……」 スッ 律「待て待て待て」 ガッシ 梓「私そろそろ時間があれなので」 グググ 律「いやほら、ケーキまだ残ってるし」 グググ 梓「先輩の食べかけじゃないですか」 律「紅茶も残ってるし」 梓「だから飲みかけじゃないですか」 律「逆にご褒美だろ」 梓「澪先輩にでも差し上げて下さい」 律「あいつは少し減量しないといけないから」 澪「うるさいよ」 梓「違うんですよ、別に逃げようとしてるわけじゃなくて」 梓「ジャズ研に行った友達が、凄いカッコいい先輩がいるって言ってて」 律「いねーよそんな奴!」 梓「私だって友達くらいいますよ!!」 澪「そっちじゃなくて」 律「そんな人気ある女子がいたら、ムギがとっくにジャズ研行ってるだろ」 紬「えっ」 唯「澪ちゃんなんてファンクラブまであるんだよ!」 梓「えっ、その人さっきガチで殴り合ってましたけど」 紬「梓ちゃん、あれは仲直りセックスみたいなもので」 梓「ちょっと黙っててください」 紬「怒られちゃった!」 キャッ 澪「なぜ喜ぶ」 梓「私はもっとこう、ちゃんとしたバンドで音楽をやりたいんです」 梓「エンジョイ勢の先輩と対立したり、顧問の厳しい指導で心が折れかけたり、 コンクールのメンバー争いで切磋琢磨したり、そういう青春してみたいんですよ」 律「そういうのは吹奏楽部に行け」 澪「今まさにエンジョイ勢と対立できてるだろ」 唯「(違う意味で)厳しい顧問もいるし」 紬「みんな自分の意見を言い合って、切磋琢磨できてるわ」 梓「あだ名ごときで言い争ってるだけじゃないですか」 律「そうは言うけどな、梓」 梓「にゃ?」 律「私たちはまだ梓のことをよく知らない」 紬「今はまだ、先輩相手にキレ散らかして暴言を吐く、恐れ知らずの女という情報しかないわ」 澪「こういうコミュニケーションも大事だと思うんだよな」 澪「これから一緒のバンドを組んでいくわけだし」 律「無駄なように感じる時間だって、きっと大切な時間になっていくから」 梓「どうしたんですか、急に部長みたいなこと言い出して」 律「部長です」 梓「いいんですか、こんな後輩で」 澪「当たり前だろ?」 梓「もっと素直で、可愛い後輩のほうがよかったんじゃないですか」 律「素直すぎるけどな」 唯「そのままのまな板にゃんが、みんな気に入っちゃったんだよ」 梓「でも私、先輩たちに迷惑かけて……」 澪「まな板も入ったことだし、私たちももっとやる気出していかないとな」 紬「まな板ちゃんのティーカップも用意しないと」 律「こんど歓迎会でもするか」 梓「ていうか私のあだ名、まな板に決まったんですか」 紬「まな板ちゃん」 梓「あっ、私のことですか?」 紬「まな板というのは貧乳の代名詞だと思ってるみたいだけど」 紬「まな板は 『愛板』 と書いて、愛でられる存在という意味も込められているのよ」 梓「そうなんですか」 紬「ウソよ」 梓「………」 唯「どう?」 梓「はい?」 唯「まな板にゃんとあずにゃん、どっちで呼ばれたい?」 梓「………」 唯「どうしたの、まな板にゃん?」 梓「もう、あずにゃんでいいですっ!」 唯「軽音部へようこそ!!」 梓「ここで!?」 おわれ あとがき オチが雑すぎる…… 内容はまったく違うけど、 前に書いた「夢ものがたり」というSSの続きのつもりでした 途中からそういうつもりで書きました 戻る
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PM 9:40 梓「遅い遅い遅い遅い遅い遅い遅い遅い遅い遅い」 キーボード「あ、梓ちゃん、落ち着いて……」 ベース「しかし、本当に遅いな……何やってるんだ、二人とも」 律「待たせたな!!」 梓「……来たぁ!!」 梓「律先輩……それに、ゆ、唯先輩……!?」 唯「えへへ、来ちゃったぁ~」 梓「な、なんで唯先輩がここに……?」 唯「うん、まあ、色々あって」 梓「そ、それにギターは……?」 律「それが……」 唯「色々あって、逃げられちゃった……テヘ」 梓「は、はぁ~!?」 律「とにかく、準備をして……」 ――バタン! 「はぁ、はぁ」 律「おや……ようやくお姫様のご到着だ」 澪「はぁ、はぁ」 澪「律………」 澪「探したぞ………!」 律「マイナス5℃の気分はいかがでしたか、お姫様?」 澪「律…………」 澪「よくも………よくも、騙したな……!」 律「なんのこと?」 澪「……なにが『閉じ込める』だよ!」 澪「……なにが、『死ぬ』、だよ……う、ウソばっかりついて…………!」 澪「わ、わたし……ゔっ……ほ、ホントに、死ぬかと…………」 律「……馬鹿だなぁ、私が澪を殺すわけないじゃん」 澪「…………だ、だって!!!」 律「……ちょっと待ってろ」 澪「…………」 律「……ほら、これ」 澪「…………」 澪「これ………」 澪「……わ、私の……ベース………どうして……?」 梓「えぇ、律先輩、まだ返してなかったんですかぁ!?」 律「だって、会う機会がなかったし」 澪「…………」 梓「澪先輩……律先輩って、2年かけてそれを探し回ったんですよ?」 梓「……その経験からか、その後も人から頼まれて盗まれた楽器を取り返したり、 不正売買を取り締まったり…… 練習もせずに、余計なことばっかりしてますけど」 律「いらん事は言わなくてよろしい」 唯「不正売買……そうか、それで楽器屋の店長は被害届出すのを渋ってたのかぁ……」 澪「…………グスッ」 律「ほ、ほら。泣くな澪………」 澪「わ、わ゙たし……律に……言わなくちゃいけないことが……」 律「…………」 律「あ~、その事だかな……」 律「……私もお前を騙しただろ?」 律「だから……」 律「あれで、おあいこだ」 澪「律………ポロポロ」 梓「あ、あのぉ……お取り込み中の所、申し訳ありませんが、時間が……」 律「や、やべぇ、今何時!?」 梓「9時50分です」 律「あと10分で開始じゃねーーかぁ!!」 律「なんでお前はそんなに落ち着いていられるんだ!?」 梓「ぜ、ぜん全然落ち着いてませんって!!」 梓「ああ、どうしよどうしよ……」 キーボード「……あ、あのぉ、そう言えばギターさんは?」 律「あ、そう言えばギターがいないんだった!!」 梓「ど、どうするんですか!?」 律「どど、どうしよどうしよ……」 梓「どーするんですかぁぁぁーーーー!!」 唯「あ、あのさぁ……」 唯「……私、弾けるかも」 梓「…………へ?」 律「え…………マジ?」 唯「う、うん……実は昨日、寝る前にずっとCDかけてたから……」 唯「頭に付いちゃった……エヘ」 梓「え、そ、それだけで弾けるんですか!?」 唯「うん、多分」 唯「でも……」 唯「でも、ギターがないと……」 唯「私、ギー太が燃えちゃったから……」 律「おい」 梓「け、結局ダメじゃないですかぁぁぁーーーー!!」 律「ああ、どうしよどうしよ」 ――――――――――――――――――― PM 9:55 女「はぁ、やっと着いた……」 女「もう、この遊園地、中に入ってからも広いんだから……」 女「そろそろ、始まってるかしら……?」 ブォォォ ガチャ 男「お嬢様、先ほどのロッカーの中身をお持ちいたしました」 女「あら、ありがとう」 女「持ち主が分かるといいんだけれど……」 男「……こちらです」 女「…………」 女「……これって……ギター? 一体誰のかしら?」 女(あれ、でも何処かで見た覚えが……) ――――――――――――――――――― PM 9:58 梓「ああ、どうしよどうしよ……」 律「いや、これもう終わっただろ」 唯「ああ、私のギターさえあれば……」 澪「ベースなら一本余ってるんだがなぁ……」 ガチャ 女「あのぉ……失礼しま~す」 唯澪律梓「………………」 唯「む…………ムギちゃん!?」 紬「……えぇ!?」 紬「皆さんお揃いで……一体どうしたんですか!?」 澪「む、ムギこそ一体どうしたんだ……?」 律「あぁ、ムギの会社はこのイベントの主催だから……」 梓「む、ムギ先輩、助けて下さい!!」 紬「どうかしたの?」 梓「ギターが一本足りないんです!!」 紬「ギター……?」 紬「あ、そうだ。さっきこんな物を手に入れたんだけど……」 紬「これ……」 唯「……そ、それ…」 唯「………ギ………ギ……ギ……ギー太!!!」 唯「どうして……!?」 律「――お、おい、もう始まるぞ、急げ!」 梓「――唯先輩、ギターあったんですか!? 早くっ!!」 唯「ま、待って、まだチューニングが……」 律「いいから急げ、もう出るぞ!」 梓「……こんばんは!!」 ワァァァァァーーーー!!!! 梓「えっと……Nyan☆Nyansです!」 梓「今日は、このようなイベントにお越しいただき、本当にありがとうございます!!」 梓「それでは、聞いて下さい」 梓「『恋の方程式』」 ――――――――――――――――――― ―――――――――― ――――― ベース「あの……良かったら次の曲、変わりに弾かない?」 澪「え……!? そ、そんな悪いですって」 キーボード「皆さん、お友達みたいですし……」 紬「でも……流石に3人もチェンジするのは、ちょっと……」 澪「顔でバレるしな」 ベース「あ、それなら私にいい考えが……」 パッ…… ――キャア! ――あれ、停電? ――演出とかじゃないの? 梓「皆さ~ん、聞いて下さい!!」 梓「実は、照明の機械が故障してしまったらしくて……」 梓「演奏には支障がないのでご安心下さい」 梓「――それでは、次の新曲は……」 梓「唯さん、ボーカル(ボソッ」 唯「えぇ~!? だ、ダメだってそれは!」 梓「……もうこの際、思いっきりやっちゃいましょう!」 梓「放課後ティータイム、復活ライブです!!」 律「……お、いいねそれ!」 紬「何の曲をやるんですか?」 澪「……そりゃあもちろん、あの曲だよな? 梓「唯先輩、歌詞覚えてます~?」 唯「お、覚えてるよ~!」 律「よし、じゃあいくか!」 梓「――それでは、次の新曲は……」 唯「『ふわふわ時間』!」 ――――――――――――――――――― キミを見てると いつもハートDOKI☆DOKI 揺れる思いは マシュマロみたいに ふわ☆ふわ いつもがんばる キミの横顔 ずっと見てても 気づかないよね 夢の中なら 二人の距離 縮められるのにな あぁ カミサマお願い 二人だけの Dream Time ください☆ お気に入りのうさちゃん 抱いて 今夜も オヤスミ♪ 唯「ふわふわ たぁいむ♪」 ――――――――――――――――――― 1ヶ月後 ――お客様にお知らせします ――3番ゲートに到着予定の便は…… 憂「……えっとぉ」 憂「確か、この辺だったはず……」 憂「あ、いた! お姉ちゃ~ん!!」 唯「……うい!!」 憂「お姉ちゃ~ん!」 唯「う~い~!!」 ガシッ 憂「あはは、久しぶり……」 唯「会いたかったよぉ、うい~!」 憂「私も会いたかったよ~、お姉ちゃん」 憂「中々帰ってこれなくて……ごめんね?」 唯「ううん、憂も向こうで忙しかっただろうし」 憂「それじゃ、帰ったら美味しい料理、たくさん作るね!」 唯「……いや、せっかく帰ってきたんだから、憂はゆっくりしてって! 私が作るから!」 憂「えぇ、お姉ちゃんがぁ~!?」 唯「大丈夫、澪ちゃんにたくさん料理習ったし~」 憂「えぇ、ほんとに~!?」 唯「うん、それから、それから……」 憂「えぇ、すご~い!」 ………………… ………… END 戻る
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唯「和ちゃーん、仕事終わったよ!」 なんとなくまだ夢心地の頭でわたしは部屋の扉を開けました。 白い机の向こうに立っている和ちゃんは暗い顔していて、よくないニュースが待っていることはわたしにもわかりました。 和「唯、落ち着いて聞いてほしいんだけど」 唯「なに?」 和「中野さんは死んでしまうかもしれないの」 唯「え」 和「いいえ語弊があったわね。正確には中野さんは意識を失ってしまうのよ」 唯「……な、なんで…そんなのやだよっ」 和「辛いこと言うようだけど……恐らくあのときミスが」 唯「そんな……わたしのせいで?」 和「中野さんの意識は少しずつだけど死に向かっているわ。夢の中で起きたことと意識は密接につながっているから」 唯「……あ」 缶けりしたときあずにゃんは車に轢かれそうになったのをわたしは思い出しました。 和「心当たりがあるようね」 唯「でもあれからあずにゃんの夢には何度か入ったよっ……」 和「これは説明が難しいんだけど……人間の意識っていうのは分裂的…」 唯「えと、もっとわかりやすくおねがいします」 和「そうね…気分によって考えることって全然違うわよね?」 唯「うん」 和「だから頭の中にいろんな自分がいるって考えることもできるじゃない?」 唯「うん」 和「で、夢を見せる機械っていうのは夢を現実だと錯覚させるわけ……ここまでOK?」 唯「なんとか」 和「中野さんの場合、頭の中の1人が自分は死んじゃったと錯覚したの。それで死とか大きなパワーを持つ考えは影響力が強いからそのうちに頭の中みんなが死んでると錯覚しちゃうのよ」 和「だから唯が夢に入れたのはまだ被害が小さかったからってことになるわね」 唯「じゃあ、どうすればあずにゃんは助けられるのっ?」 和「残念だけど……」 唯「そんな……。やだよっ!」 気づくとわたしは部屋を飛び出していました。 外はちょっと寒くて、暗くて街灯の明かりが灯っていて、それらがいつも通りだということにわたしは腹が立ちました。 わたしは泣いていました。 泣いたのははじめてです。 今までにあずにゃん以外に対して仕事をしたこともあるのです。そして別れというのもあります。 だけどなんでだろうあずにゃんは少し違いました。 なんでだかはわからなかったのですが。 そして今もわからないままで、だけどすごくあずにゃん会いたいと思いました。 【A】 波の音が聞こえた。 だから、わたしは海に来ているんだと思った。 時刻は夜。 上を向けば星と月が空を泳いでいるのがわかる。 ちなみに右を向けば唯先輩がいるのがわかる。 目の前に広がっているはずの海はひどくあいまいだった。 わたしはなんでここにいるんだろうという疑問が浮かんだ。 最近、日々の連続性が失われてきているような気がする。途切れ途切れの映画を見ているみたいに。 まあ、慣れてしまえばそんなに気になることでもないけどね。 唯「あずにゃんどうしたの?」 梓「へ?」 唯「ぼうっとしてたから」 梓「ああ。幸せは途切れながらも続くってことを考えていたんですよ」 唯「そっか」 なんとなくわたしは星の数を数えてみた。18個まで数えたところで唯先輩が口を開いた。 唯「あずにゃん、夜の海はどう?」 梓「暗くてよく見えないです」 唯「そっか、ごめんねー」 梓「なんで先輩が謝るんですか」 唯「それは……わたしがあずにゃんをここに連れてきたから…」 梓「別に唯先輩のせいじゃないですよ。それにわたしはこうしてるだけで楽しいですし」 唯「ほんとっ?」 梓「はい」 唯「よかったあー」 何を考えたか唯先輩はわたしに飛びついてきた。わたしの体がぎゅうと圧縮された。 梓「唯先輩ってなんというかプレス機みたいです」 唯「ふうむ」 梓「いい意味でですけど」 唯「潰しちゃうぞー」 唯先輩が先ほどより強くわたしの体を締め付けた。小さいわたしがさらにちっちゃくなっちゃいそうだ。 そういえば、何個まで星を数えていたか忘れてしまったな。別にいいけど。 唯「あ、くらげだ」 唯先輩か指差した方向にはたしかにくらげがいた。 くらげは暗い海の上を漂い、ほのかに光を放っていた。 くらげって発光するんだっけという疑問がちょっと頭をよぎったが、ただの月明かりなのかもしれないなと思い直す。 梓「でもこの時期にくらげがでるなんて変ですよね」 唯「え、そうなの」 梓「いや詳しいわけじゃないので間違ってるかもしれませんが」 唯「あちゃー。くらげさん出てきちゃダメだよー」 梓「別にいいじゃないですか」 唯「それじゃにせものみたいじゃん」 梓「なにがですか?」 唯「季節がだよー」 梓「たまに唯先輩は変なこと言いますね」 唯「そーかなあ」 梓「ふああ」 わたしはあくびをした。 唯「あずにゃん眠いの?」 梓「少し…最近よく眠くなるんですよ」 梓「……ふああ」 わたしはもう一度あくびをした。 唯「ねえ、あずにゃん」 梓「ん…なんですか?」 唯「わたしさあずにゃんに会えてよかったよ」 梓「わっ、恥ずかしくなるんでそういうことは心の中で留めておいてくださいよ」 唯「えへへ……でもね、ほんとはわたしずるしちゃったんだけど、それでもそう思うんだよ」 唯先輩は一度わたしを見てから夜空に視線を移した。 わたしも夜空を見上げたが、何か特別なものがあるわけじゃなかった。けれど、唯先輩は真剣な表情のまま。 ときどき唯先輩が遠くなってしまった気がする。例えばこんなときに。 わたしはこっそり三回目のあくびをした。 【Y】 どこをどう歩いたのかは覚えていないけど家までは一直線だから、たぶんいつもの道を通ってわたしは家に帰ったんだと思います。 それまでの日々と同じようにわたしを出迎えてくれた憂が、それまでの日々にはなかった顔をしたわたしを心配そうに見つめてきました。 泣きはらした顔を隠すことができず、わたしはよれよれの笑みを浮かべました。 憂「おねえちゃん大丈夫?……じゃなそうだね」 唯「あはは……」 憂「ほら、とりあえず上がりなよ。玄関は寒いし」 憂に促されるままわたしは暖かいリビングに入りました。 憂「それで何かあったの?」 唯「……うん」 憂「あ、言いたくなかったらいいんだよ」 唯「ううん大丈夫」 憂「わかった」 唯「あのね、あずにゃんが死んじゃうかもしれないんだって」 憂もあずにゃんのことは知っています。わたしがよく話すからです。 自分でいうのもなんですが、わたしたちは仲のよい姉妹で普段からいろんなことを話しているのです。 憂「どうしてなの?」 わたしは和ちゃんから聞いた説明をほとんどそのまま憂に話しました。 憂「……そっか」 部屋の隅の方から暖房機の唸るような音が聞こえてきました。 この暖かさはわたしの悲しみを融かしてしまう気がして、ちょっぴり嫌になります。 憂「おねえちゃんにとって梓ちゃんは特別だったんだよね?」 唯「そう、なのかな」 憂「そうだよ。梓ちゃんの夢の話をするときすごく楽しそうだったし」 唯「だけどあずにゃんの夢はわたしが壊しちゃったんだ」 憂「……あのさ、梓ちゃんを起こしちゃったらどうかな」 唯「え?」 憂「やっぱダメだよね……あはは」 唯「いや、すごいよ! うんそうだ、起こせばいいんだよ」 憂「ほ、ほんとに?」 唯「だってあずにゃんが死んだのは夢の中でだもん」 わたしは憂の両手を握ります。 唯「憂、ありがとうっ」 そうしてから、勢いよく家を飛び出しました。 外に出ると夜の凍てつくような寒さが襲ってきて、わたしは身を震わせました。 でもこれくらいのほうがちょうどいい。 信号機は真ん中の黄色だけが点滅していて、それを見たわたしは駆け出していきました。 ふと夢を見せられていたのはあずにゃんではなく、わたしのほうだったんじゃないかなって感じました。 もしかしたら今もまだ夢を見ていたりして。 仕事場の扉を押して中に入ります。 鍵がかかっていないなんてずさんな管理ですが、今のわたしには好都合でした。 蛍光灯が廊下をほの暗く照らし出していました。 わたしは一目散にあずにゃんのいる部屋を目指します。今回は和ちゃんの許可もなしです。 階段を上がり、折れ曲がった廊下を進み、やっとのことでその部屋にたどり着きました。 わたしは寝ているあずにゃんに近づきます。 そして、ブチン。 ベッドに繋がれたコードのうちの一本を抜きました。 バチン。 もう一本。 ブチン。 プチ。 グウーン。 プシュウ。 バチバチッ。 プツン。 ひとつひとつ機械があずにゃんから断たれていきます。 残るは最後のコード。 これを抜けばきっとあずにゃんは助かるはずです。 わたしは手に力を込めました。 和「ダメよ唯っ」 ぷ つ ん わたしがコードを抜いたのと和ちゃんの声が聞こえたのはほとんど同時でした。 和「そんなことしたら……」 あずにゃんはそのままの姿勢を保ち続けています。 ぶうぅんという機械音がしました。 わたしは弱々しくあずにゃんの頬に触れました。 どこかで何かが壊れていったそんな気がしたのはなぜでしょう。 和「ゆい」 ぴ くん。 何ががわたしの手のひらの向こうで揺れました。 ぴくっ。 人形みたいに固まっていたあずにゃんの顔についた瞼が光を欲して開いていきます。 和「……うそ」 懐かしい初めての出会いに向かって、そっとわたしは呟きました。 唯「 おはよう 」 【A】 あれれ、さっきまで海にいたんじゃなかったっけ。 公園の片隅でわたしは思った。 たぶん思い違いか何かなんだろうけど。 その後で違和感を感じた。 唯先輩がいない。 不意にはじめて唯先輩に会ったときのことを思い出した。 今までそんなことなかったのに。 たぶんわたしの中(または外)で変化が起こっているのかも。 そういえばその時もこの公園だったな。 そう思ってわたしはくすりと笑った。 ―――――― ―――――― あの頃のわたしは自分の中の空白を塗りつぶしてくれるものを探していた。 でも、今だって見つかったわけじゃないけどね。 錆びた黄色ベンチにわたしは座っていた。ぬるくなった炭酸を飲み干した時だった。 「あーずにゃん」 後ろから声が聞こえた。 なぜか、それが自分を呼んだものだという確信めいたものを感じた。 今思えばこの時からわたしは、別の場所に迷い込んじゃったのかもしれない。 例えば、夢の中なんかに。 わたしは振り向いた そこには女の人――唯先輩が立っていて、少し不安そうな顔でこちらを見ていた。 その曖昧な表情がよくわからないけど柔らかくて、気づいたときにはわたしは笑っていた。 うまく笑えなくて、唯先輩に笑われたから、さらにわたしも笑った。 それが出会い、なんていうのは少しおおげさだから嫌だけど、でもとりあえずそういうことだ。 これはいつの話だっただろう。 もちろん軽音部に入部する前のはずだけど、でもなんか違う気もする。 間違い。 その言葉がやけにしっくりきてしまった。だけど……だけど何だろう? ―――――― ―――――― 『みーつけ』 背後から声が聞こえた。 振り向こうとしたけど何故だかできなかった。 梓「おに?」 なんでそう思ったんだろ。 『あったりぃ』 梓「律先輩?」 『どーだろうな』 梓「でも、じゃんけんに負けたのは律先輩でしたよ」 『うふふ、そうだったかしら』 今度はムギ先輩だ。 『細かいことは気にしないほうがいいぞ』 澪先輩。 『あずにゃん、そろそろ終わりだね』 梓「おわり?」 『そ、今まではどうだった?』 梓「今まで?」 いきなり頭の中で光がはじけて、記憶が溢れだした。 数々の光景が現れては消え、現れては消える。 これは走馬灯? 軽音部のみんなで缶けりをしていた、演奏していた、合宿に行った、楽器を買った、キャッチボールをした、何もしなかった、トンちゃんにえさをあげた、ティータイムをした、、律先輩が冗談を言った、澪先輩がそれを叩いた、さわ子先生が話していた、純がドーナツをくれた、憂と買い物に行った、ムギ先輩が驚かせてきた、唯先輩と海に行ったたい焼きを食べたギターを弾いた公園のベンチに座ったスイカを割った動物園のペンギンを見た花を育てた二人で笑った。 あったようなでもなかったような、そんな記憶たち。 唯先輩の鬼の話を思い出した。 ここが ほんもの か にせもの かはわからないけど 確かにわたしはここにいた。 『缶、踏ーんだ』 視界がぐにゃりと歪んだ。 たしか前にも同じことがあった。 何かが壊れる音がした。 これが終わりなんだろうか? それともはじまり? まあどっちにしたって似たようなものだ。 この結末はやだなとはちょっぴり思った。 遠くで誰かが「おはよう」と言った気がした。 こういうときはおやすみって言うべきですよ。 指摘したかったけどひどく眠くて―― ぷつん 【Y】 わたしたちは港にいました。 あずにゃんを起こした後、逃げてきたのです。 わたしはルールを破ってしまったのです。もし捕まったらあずにゃんもどうなるかわかりません。 わたしはあずにゃんのほうを見ました。 まだ少し眠そうです。 ずっと夢の中でしか会うことのできなかったあずにゃんがここにいるのです。 これじゃ恋する乙女みたいですね。 まあ間違ってもないですが。 梓「えと、唯先輩」 唯「おおっ、わかるの?」 梓「夢でさんざん会いましたから」 唯「てへへ、そうでしたね」 梓「ていうか唯先輩のつくった夢だったんですか?」 唯「そうだよー」 梓「あの、夢に入るのってどんな感じなんですか?」 唯「いやあ、説明はしにくいんだ」 梓「そうなんですか」 唯「でもコツならあるよっ」 梓「コツ?」 唯「これだよっ」 わたしは、緑色をしたよくあるおまもりをポケットから取り出してあずにゃんに見せました。 梓「おまもりですね」 唯「これを持ってると見たい夢が見れる、魔法のおまもりなのです」 梓「へえ」 唯「ほんとだよー」 梓「じゃあ機会があったら貸してください、試してみますから」 唯「おーけおーけ、ちゃんと覚えておくねっ」 梓「はい、お願いします」 唯「さてとこれからどうしよっか」 梓「そうですね……あ」 ぐうぅとあずにゃんのお腹が鳴った。 唯「何か食べたいみたいだねー」 梓「ち、ちがいますっ……ちがくないですけど」 唯「よしよし、素直なのはいいことだよ」 梓「むう」 適当にあたりをうろつき、たい焼き屋があったのでたい焼きを買いました。 もちろんわたしはクリームであずにゃんはあんこです。 3
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梓「はぁ…はぁ…」 すぐに家へ戻り、自分の部屋に入った。 そしてベッドの中にもぐりこむ。 梓「うっ…うぅ…」 梓「ふうぅっ…グズッ…」 なんとか泣くのを堪えようとする。 けど、無理だった。 梓「うっ…うああぁぁぁぁああん!!」 恐ろしいほどの後悔の念が、私を襲う。 なんであんな事を言ってしまったのだろう。 あの時、自分の気持ちに素直になっていたら… しかし、もうどうしようもない。 梓「うあああぁぁぁぁぁぁあああん!!」 嫌われた。 これで私は律先輩に完全に嫌われた。 …… 澪「……」 律「……」 澪「な、なぁ律…」 律「あっ、もうここでお別れだな」 澪「……」 律「じゃあな、澪。また明日学校で」 澪「あ、あぁ…バイバイ」 律「……」 澪「……」 律「ただいまー」 聡「あっ、姉ちゃんお帰りー」 律「聡、今日夕飯いらないって言っておいて」 聡「なんで?ダイエット?」 律「馬鹿もん!こんな素晴らしいプロポーションを持っているのにダイエットなんてする必要あるか!」 聡「はいはい」 律「…さっき食べてきちゃったからさ、もうお腹いっぱいなんだよ」 聡「ふーん」 律「じゃ、ちゃんと伝えておいてくれよ」 聡「はいよー」 律「はぁ……」 律「……」 自分の部屋に入り、ベッドの上に横たわる。 チクタクと時計の針が進む音が聞こえる。 一人でいると静かなものだ。 律「……」 携帯を見た。 澪からメールが来ている。 律「……」 なんとなく、開ける気が起きなかった。 律「……」 静かな空間。 嫌でも自分と向き合わなければいけない。 律「……」 思い出したくない。 忘れ去りたい出来事。 それでも、どうしても頭から離すことはできなかった。 梓《私は…律先輩のことなんて大嫌いなんだから!!》 律(大嫌い、か……) 律(まぁ…最初から好かれてるとは思ってなかったからいいけどさ) 律「……」 律(逆に清々しいな、あそこまでハッキリと言われると…) 律「…ははっ、マジうける……」 律「ろくな先輩じゃないな、私は…」 律「梓の気持ちも知らないで仲良くなりたいだなんて…」 律「今日も私と絡んでて、イヤだったんだろうな~……」 律「……」 律「寝よう…」 寝て全部忘れられたら、いいな… …… 梓「……」 あれからどれ程経ったのだろうか。 私は泣きつかれてベッドの上でぐったりとしている。 梓「……」 喉が痛い。 鼻はまだ詰まっている。 頭はボーっとしている。 梓「……」 涙はとっくに枯れ果てた。 もう泣く気にもなれない。 何も考えることができない。 梓「……」 律先輩のこと想うとチクチクする。 イライラする。 ムカムカする。 ザワザワする。 ズキズキする。 息苦しい。 梓「……」 こんなに辛い思いになるのも全て律先輩のせいだ。 だから私は律先輩を嫌いになった。 こうすれば少しでも気が楽になると無意識に思って。 自分自身を騙していた。 自分が傷つきたくないから、彼女を避け。 心の中で馬鹿にし、見下すことで彼女を遠ざけようとしていた。 頭で思っていなくても、心がそうした。 梓「……」 けど純に言われて気づいた。 自分の気持ち。 頭で理解することができた。 単刀直入に言えば私は律先輩のことが……好きだ。 なんで好きになってしまったのかは分からない。 けど好きだという事実は認めるしかない。 その上で、自分がどれほど大変なことをしたか改めて思い知らされる。 大好きな人を傷つけてしまったのだ。 自分はなんて馬鹿なんだ。 なんて愚かなんだ。 なんて浅はかなんだ。 梓「……」 最低だ。 最低な人間だ。 自己嫌悪が膨れ上がりどうにかなってしまいそうだ。 梓「……!」 耳をすますと足音がした。 誰かが私の部屋に近づいてくる。 誰? お母さん? それともまさか… コンコンとノックの音がする。 純「梓?いるー?」 梓「純…?」 予想外の人物だった。 どうして純が? 純「入ってもいい?」 梓「あっ…うん」 純「おじゃましまーす」 部屋の扉が開くと純が現れた。 純「おー、ここが梓の部屋かー」 梓「純…どうして…」 純「これ、梓のバッグ。さっき置き忘れてたよ」 梓「……ありがとう」 純「どういたしまして」 突然のことで中に入れてしまったが、今は人と話せる状態ではない。 せっかく来てもらった純には悪いが、早く一人にしてほしかった。 梓「あの…純……」 純「分かってる、用事はこれだけだからもう帰るよ」 梓「……ごめん」 純「いいっていいって」 梓「……」 純「…明日学校来れる?」 梓「……分からない」 純「そっか、了解」 梓「……」 純「…じゃあね」 梓「うん…」 純は部屋から出て行った。 また一人。 嫌悪感と向き合う。 梓「……」 その日は一日眠れなかった。 …… 唯「おはよー、澪ちゃん!」 澪「あぁ、おはよう唯」 唯「今日もあっついね~」 澪「ほんとだな…」 唯「あれ?りっちゃんは?」 澪「え?」 唯「いつも一緒に学校に来てるのに、今日は違うの?」 澪「律は……たぶん休みだ」 唯「え…風邪?」 澪「……」 唯「?」 … 純「……」 憂「おはよう、純ちゃん」 純「あっ…おはよう憂」 憂「今日も暑いねー」 純「うん…」 憂「…純ちゃん?」 純「…せっかく夏も終わったのに、イヤだよね。早く涼しくなって欲しいよ」 憂「そうだねぇ…梓ちゃんはまだ来てないんだ」 純「あははっ、暑さでダウンしちゃったんじゃない?」 朝。 窓から太陽の日差しが差し込んでいる。 梓「……」 梓母「じゃあ学校には連絡入れておくから、何かあったら呼んでね?」 梓「うん…」 母親に体調不良と言っておいて、学校を休むことにした。 行ったって居場所はない。 純や澪先輩にまであんな酷い醜態を晒してしまったのだ。 会わせる顔がない。 梓「……」 人生で初めて死にたいと思った。 …… 唯「部活だよー!」 シーン… 澪「…あ、あぁそうだな」 唯「もう澪ちゃん!そこは『全員集合ー!』って言って欲しかったのに!」 澪「ドリフか…」 唯「澪ちゃんのいけずぅ」 澪「はいはい、ごめんな」 紬「お茶とお菓子持ってきたわよ~」 澪「ありがとう、ムギ。……ん?」 紬「どうしたの?」 澪「…律の分はいらないんじゃ」 紬「あっ、ごめんなさい。ついうっかり…」 唯「あずにゃんも休みなんだって。憂から聞いた」 紬「梓ちゃんまで?二人とも大丈夫かしら…」 澪「……ケーキ、帰りに律の家に届けてくるよ」 紬「そうね…お願い澪ちゃん」 唯「二人がいないとなんか寂しいな~…」 …… 律「はーっ……」 一日中ベッドの上で寝転がっている。 昨日寝ようよしたが結局眠れなかった。 ご飯も食べていない。 ただひたすらボーっとしているだけ。 律「……」 律(失恋ってこんな感じなのかな) 律「……」 律(いや、恋じゃないか…恋じゃないよな) コンコン、と扉がノックされる音がした。 澪「律、いるか?」 律「あ…澪?」 澪「入るぞ」 澪が部屋に入ってきた。 手には何か持っている。 澪「体調はどうだ?」 律「…普通」 澪「なんだそれ…。これ、ムギから」 律「え?」 澪「ケーキだよ、しかも律の好きなやつだぞ」 律「ありがと…」 ケーキがテーブルの上に置かれる。 確かに私の好きなやつだ。 ただ今は、そのケーキにあまり魅力を感じない。 律「……」 澪「食べないのか?」 律「…なんか、食欲がない」 澪「…律なのに?」 律「どういう意味だ」 澪「せっかく持ってきたんだから食べろよ」 律「いらないって」 澪「なんだよ…じゃあ私が食べちゃうぞ?」 律「別にいいけど」 澪「…お前、今日ご飯食べたのか?」 律「食べてない…」 澪「食べないとダメだろ!何考えてんだ!?」 律「うっせえな!お前は私のお母さんか!!」 澪「お前のママじゃないけど、心配なんだよ!!」 律「…っ」 澪「律…私だけじゃない、みんな心配してるんだ」 律「……」 澪「ちゃんと自分の体を大切にしてくれよ」 律「…ごめん」 澪「分かればいいけど」 律「……ママって言ってたな」 澪「…ついうっかり」 律「……」 澪「梓のこと、まだ気にしてるのか?」 律「うん…」 澪「だよな…」 律「……」 澪「じゅ、純から聞いたんだけどさ…あれはただ場のノリで言っただけって」 律「そっか…」 澪「だから深い意味はないってさ、気にするなよ!」 律「うん…」 澪「……」 律「……」 澪「ケーキ食べろよ、何かお腹に入れたほうがいいって」 律「後でな」 澪「…じゃあ私、もうそろそろ時間だから」 律「あぁ、お見舞いありがと」 澪「うん、ゆっくり休めよ」 律「分かってる、じゃあな」 澪「……律」 律「なんだ?」 澪「私は律のこと…好きだから」 5
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澪「…律、梓はこのまま帰るか遊んで帰るか聞いたんだと思うぞ」 律「………ああ!いや、分かってた!分かってたぞ!?」 唯(かわいい) 澪(かわいい) 紬(かわいい) 梓(かわいい) 律「んー、どうする澪?早くスカート洗った方が良くないか?取れなくなるぞ」 梓「そうですよ澪先輩は帰ってスカート洗った方がいいですよ」 澪「いや、明日は冬用のスカートはいてこのスカートはクリーニングに出すよ」 律「そっか、じゃあブラブラしようぜ」 梓(チッ…) ~~~~~~~~~~~~~~ 唯「わ~この服可愛い~!」 澪「ちょっとヒラヒラしすぎじゃないか?」 梓「唯先輩らしいですね」 紬「唯ちゃん着てみたら?」 唯「じゃあ皆でファッションショーしようよ!」 律紬「おーっ!」 澪梓「ええ~…」 ~~~~~~~~~~~~~~ 唯「じゃじゃーん!どう?」 律「おー!似合ってる似合ってる!」 紬「唯ちゃん可愛い~♪」 澪「こ、こんな布の面積狭い服…恥ずかしい…」 唯「え~可愛いよ~」 律「あらあら~澪ちゃんセクシーですことぉ」 澪「う、うるさい!」バシッ 律「あべしっ!」 唯「じゃあ次りっちゃんとムギちゃんとあずにゃんね!」 ~~~~~~~~~~~~~~~ 紬「どうかしら~♪」 唯「おお!カウボーイみたい!」 澪「シュッとしてるのも意外と似合うな」 梓「なんでこんなこと…」 唯「あ!あずにゃんネコミミのパーカーだ!かわいい~」だきっ 梓「にゃっ!」 澪「梓って結構自分の猫キャラ気に入ってるのか?」 律「どうだ!」ヒラヒラ 唯澪紬梓「おお…」 律「きゃぴっ☆」 唯「りっちゃん可愛い~!」 紬「すごくイイ…」 梓「ギャップがすごくイイです」 澪「…」(ぶっほっはー!!!かんわいいいいいえーい!!!!) 律「普段こんなの着ないからなー」ヒラヒラ 唯「えー可愛いよ~普段も着なよ~」 律「それはちょっとなー」 唯「そうだ!次は男の子のかっこしようよ!」 紬「おもしろそう♪」 梓「まだやるんですか…」 ~~~~~~~~~~~~~~~ 唯「平沢だぜ!」 紬「かわいい♪」 唯「え~かっこいいじゃないの?」 梓「似合ってますけど、かっこよくはないですね」 唯「ぶ~」 澪「男の子のかっこなんて…恥ずかしい…」 唯「おお!」 紬「澪ちゃん似合う~♪」 梓「似合いますねー」 律「田井中だぜ!」 唯「わ~りっちゃんイケメン!」 紬「やっぱり似合うわね~♪」 律「はっはっはっ!もっと褒めろ褒めろー!」 澪(んぎゃおおおふはぁっ!かっこいいいいいいいんっは!!!!) 律「梓…今夜は寝かせないぜ」グイッ 梓「は………はぅ……」 唯澪紬「!」 律「なーんちって!わははー」 梓「あ…あう…」グルグル 唯澪紬(ぱねぇ…) 唯「じゃあ次は~…」 店員「あの…他のお客様のご迷惑になりますので…」 唯澪律紬梓「すみませんでしたー!」 ~~~~~~~~~~~~~~~ 唯「怒られちゃったね…」 澪「全く…唯がファッションショーしようなんて言うから」 梓「…」ポーッ 唯「あ、私欲しい漫画あるんだ~本屋さん行こ~」 律「何買うんだ?」 唯「野球の漫画だよ~」 澪「ああ、部室に置いてたやつか」 唯「そうだよ~あっ、あった!」タッ 梓「唯先輩走ると危な…」 唯「あ」ツルッ 律「っぶね!」パシッ 唯「…」 律「…」 澪紬梓「おおー」パチパチ 唯「…りっちゃんすごい」 律「…自分でも感動した」 唯「えへへ、ありがと~」 律「どいたましてー」 ~~~~~~~~~~~~~~ 律「あ!そうだあたし今日晩御飯作るように頼まれてるんだった」 澪「ああ、二人共出掛けてるって言ってたな」 律「じゃあ先に帰るな!じゃあなー!」 唯紬「ばいば~い」 澪「明日なー」 梓「さよならー」 唯「ふぁー…」 澪「…」 紬「…」 梓「…」 唯「…ねえ、りっちゃん貰っていーい?」 澪紬梓「!!?」 澪「な、ななな何言ってるんだ!?」 梓「そうですよ!大体貰うってなんですか!」 紬「あ、あげないわ!」 澪「そうだぞ!律は誰の物でもない!」 唯「う~ん…じゃあこれから私の物にしていい?」 澪紬梓「だ、駄目!(です!)」 唯「え~なんで~」 澪「そ、それは…」 紬「私だってりっちゃんが欲しい!」 梓「わ、私もです!」 澪「…私もだ!」 唯「え~でも選ぶのはりっちゃんだよ?」 澪「それなら誰が選ばれるか分からないだろ!」 唯「私が1番りっちゃんと気が合うと思う!」 澪「わ、私なんて幼なじみだぞ!」 紬「この前デートしたわ!」 梓「さっき今日は帰さないって言われました!」 澪「帰られたけどな」 唯「じゃあ明日皆でりっちゃんに告白しようよ!」 紬「ええ!」 澪梓「ええ!?」 澪「そ、そんなの絶対無理だ!」 梓「そうですよ!心の準備が…」 唯「じゃあ私とムギちゃんだけでするよ!」 紬「負けないわよ~」 澪「わ、分かった!私も参加するよ!」 唯「あずにゃんは?」 梓「う…わ、分かりました!やってやるです!」 唯「絶対負けないよ!」 澪「わ、私だって!私と律と絆はすごいんだぞ!」 紬「私とりっちゃんの相性はいいと思うわ!」 梓「…えーと」 澪「そういえば梓と律ってあんまり関わりないよな」 紬「そういえばそうね」 唯「それどころか『あの人はいい加減でおおざっぱだからパス』って言ってたもんね」 梓「う…なんでそれを…」 唯「憂から聞いたんだよ~」 澪「おいおい手の平返しすぎだろ!そんな奴に律は譲らない!」 梓「で、でも…律先輩を好きな気持ちは負けません!」 唯「分かったよあずにゃん…」 澪「誤解してたよ、ごめんな」 紬「みんなで頑張りましょう 梓「はい!」 ~~~~~~~~~~~~~~~ 次の日 教室前 唯「じゃあ行くよ…」 澪「うう、やっぱり無理…」 梓「しっかりして下さい!皆でがんばろうって約束したじゃないですか」 紬「皆全力ていきましょ!」 ガラッ 唯紬「りっちゃん!!」 澪「律!!」 梓「律先輩!!」 律「ん、おはよー」 唯「…あれ、りっちゃんカチューシャ…」 律「ああ、ベットの隙間に落ちてたんだよ!やっぱりあたしはこれがないとな!」 唯「…」 澪「…」 紬「…」 梓「…」 唯「…やめよっか」 澪「そうだな」 紬「ええ」 梓「なんか勘違いしてたみたいですね」 律「へ?」 おわり 戻る
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485 :軽音部員♪:2011/10/13(木) 01 36 26 ID pvbigbRA0 前々から暖めていたネタを書き起こしてみました。5レスほど食います。 いつもは甘甘な内容ばかりですが今回は趣向を変えて現実味を取り入れてみました。 見方によってはやや鬱です。 ので皆さんの中には嫌悪感を抱く方も居るかもしれません。ごめんなさい。 それではご笑覧ください。 「律先輩が嫁ぐ宵」 私、中の梓は律先輩と付き合っています。いや、「いました」か。 あれは忘れもしない3回生の時でした。 律先輩にある日呼ばれて唐突にこう言われました 「私達、別れよう」 始まりは高校の時からでした。 付き合い始めてからというもの私達は曲を作っては二人だけでセッションしたりいろんなところへ遊びにいったりここではとても言えないようなことばかりして過ごしてきました。 しかし終わりというものは往々にして突然やって来るものです。 律先輩は私達のためだとか梓のことを思ってとかいろいろ言っていましたが正直殆ど覚えていません。頭に入ったのはただ「別れよう」の言葉だけでした。 流石に私も子供ではなかったので今まで普通に暮らしてきました。 しかしその日もまた突然やってきました。 律先輩に呼ばれたのです。 あれは3回生の時だったか、いや4回生の時だったな。 梓と別れたのは。 今でも正直後悔している。 けれどもきっと間違いではない。ああしたからこそ今もお互いやっていけるのだ。 私はそう考えるようにしている。 理由は簡単だ。私なんかが相手では梓は幸せでなくなってしまう。 いくらお互い愛し合っているとはいえこのご時勢。経済性が良くなければとてもやっていけない。 いくら女性の社会進出が進んだとはいえまだまだ男に比べれば差もあるし長くやっていくのは難しい。私はそう考えたから梓と別れた。 うん、間違っていない。 486 :軽音部員♪:2011/10/13(木) 01 38 26 ID pvbigbRA0 大学を出た後は普通に仕事して、出会いも少しあって。 私も世の多くの例に漏れず私のことを愛してくれる別の人が出来て、私もそれを受け入れた。 そう、私、田井中律は結婚します。 呼ばれた公園に私が行くと、もう律先輩は待っていました。 「まあ座れよ」 別れ話を切り出したのはそっちなのに馴れ馴れしいですね。 そう言いたくなるのを抑えつつ隣に座ると 「梓、これでも飲め」 昔と変わらない調子でお茶を渡してきました。 「ありがとうございます・・・」 「ところで梓は今、順調なの?」 「ええ・・・まあ」 律先輩と久しぶりに会えて嬉しいハズなのにやはりどこか過去を引きずってしまいます。 「ところでさ」 「私、今度結婚する。」 え・・・ また突然です。 どうして、私はただ捨てられたのか? 別れたのなんてずっと前のハズなのにそんな考えばかり頭に浮かびます。 「だからさ、今日梓とまた話をしたい。」 「そんな、勝手sry」 「まあ聞いてくれよ」 仕方ないので聞いてやるです。 「正直別れたのは私の自分勝手だった。ここに謝る」 律先輩は深々とこっちに頭を下げてきました。 「そ、そんな!頭を上げてください、律先輩!」 どうしてだろう。さっきまであんなに自分勝手だと思っていた先輩を気遣ってしまう。 「ごめんで済むようなことじゃなかったと思っている。けれどもほかに言葉がないから謝る。本当にごめん」 その後律先輩は私に何故別れたのかの経緯を話してくれました。 もちろん納得は出来ませんでしたが。 487 :軽音部員♪:2011/10/13(木) 01 40 30 ID pvbigbRA0 「・・・というわけだ。梓。」 「もちろん許してなんかくれないよな・・・」 「勿論ですよ。」ニコッ 「末代まで祟ってやります。」ニコニコ 「そ、そんなあ」 やっぱり私はこの先輩を憎めない。 その事実が悔しいのにやっぱり憎めないのです。 「ところで、先輩の旦那さんになる人はどんな人なんです?」」 「・・・ストレートだな・・・まあ普通の人だと思うけど。」 「もしクズだったらわたしが先輩を奪いに行きますから楽しみにしていてくださいね」ニコッ 「それだけはマジでやめてくれ」 その後式の日取りとか引越しの手伝いに来て欲しいのはなしをして私達は別れました。 唯「りっちゃん隊長殿、結婚おめでとうございます」 律「唯隊員!感謝するぞ ハッハッハ―」 紬「りっちゃん本当におめでとう。」 澪「私はお前の旦那さんになる人のことが心配だ」 律「なんだとー澪―」 昔と変わらないやり取り、昔と変わらない先輩方。 変わったのは私だけかもしれません。 唯「ところでりっちゃん隊長!私ももうすぐ結婚するであります!」 律「ほほぅ、そのお相手は」 唯「もちろんあずにゃんだよねー」 梓「唯先輩、いい年して止めてください」 唯「あずにゃんのいけずぅー」 律「本当にお前たちは変わらないなー」 先輩には言われたくないです。 488 :軽音部員♪:2011/10/13(木) 01 42 06 ID pvbigbRA0 律「ところで今日皆に集まったのは他でもない。引越しの準備を手伝ってもらうためだ」 澪「それはメールで聞いた」 そう、今日は律先輩が新居へ引越しする手伝いに私達は駆り出されたのです。 律「それじゃ皆さん頑張ってー」 澪「お前がまずやるんだ」 いつか部室を掃除したときのように引越しはダラダラと進んでいきました。 律「おーしそれじゃこれで最後だー」 そう、あのドラムです。 あのドラムはやっぱりあの大きな箱に入れられて運ばれていきました。 あのゆとりのある「大きな箱」にです。 それから暫く あの後ちゃんと式も終えてHTTのメンバーと晩餐会なんかして今私は新居に居る。 (久々にドラムを出してやるかな・・・) 膨大な引越しの荷物も大半が新たな場所に収まり箱でいっぱいだった部屋も綺麗になってきた。そんな中で私はふと思い立ったのであった。 うーんやはり重いなあ なんだかドラムだけではないような重さを持ったその箱を私は新たなドラムの置き場所に引っ張りだしつつ思った。 「さてと・・・」 箱を開ける。なんだか懐かしいにおいがする。 その中に 「なんだ・・・こりゃ」 一つの大きな封筒が入っていた。持ってみると何か入っている。 これは・・・ そう、忘れもしない これは梓と一緒に買った譜面のノート、そしてペン ページは使って切り取ってしまって半分以上無くなってしまっているがまだ使える。 そして一枚のメモが挟まっていた。 「これは先輩に差し上げます。どうか新しい旋律を創っていってください 梓」 「中野・・・中野ォ!」グスッ 梓「律先輩の嫁ぐ宵~昔使ったペン、ノート~運ぶドラムの~大箱に~♪」 終わり 長々と失礼いたしました。 今回りっちゃんが結婚してしまうというぶっ飛んだ設定にしてみましたが如何でしたでしょうか。「ツマンネーよ」という方ごめんなさい。 昔祖父がよく歌っていた「日の丸行進曲」という歌の3番から着想を得ました。 といっても嫁入り道具に物を入れるという描写だけですがwww 甘い律梓の愛も大好きなのですがこういう深い愛というのも好きなので書いてみました。 正直梓の葛藤をもっと描きたかったのですが残念ながら作者には才能がないので皆さんの妄想で補ってもらうしかありません。 とりあえずりっちゃんとあずにゃんはいい子! 次は甘甘なものを書きたいです。 それでは駄文 長文失礼いたしました。 489 :軽音部員♪:2011/10/13(木) 01 47 45 ID pvbigbRA0 補足 もう1レス失礼します。 あずにゃんが律りっちゃんに譜面ノートを渡したのは 「私との愛は忘れないで欲しい、けれどもこれから新しい生活を作っていってください」 みたいなメッセージを込めたつもりです。 いろいろ考えたのですがどうみても復讐みたいな感じになってしまうものは避けたかったのでこうなりました。 以上作者の蛇足でした。 名前 コメント すべてのコメントを見る